2011年 冬

南房総

安房高山

2011/02/12

北八ヶ岳?のような・・・


2月10日木曜日に山形県の鶴岡へ日帰り出張したおり、風雪の月山を越えて山形市内のクライミングジム「DeadPoint」を訪れた。頭の毛が薄いこともあって若い頃からジッちゃんと呼ばれている小野巳年男の元気な姿があった。仙台を経由して家に帰り着いた頃には日付もかわっていた。
気圧配置が春になった。西高東低の冬型の気圧配置が緩んで、南岸低気圧が周期的に通過するようになった。この南岸低気圧が太平洋側の山々に雪をもたらす。
2月11日から金土日と三連休。残念ながら天気が悪い。
事前の計画では、一泊二日で足尾の松木沢を予定して、アイススクリューなども点検して車に積み込んでいたが、この天候では楽しめない。そこで、悪条件を逆手にとって、房総丘陵へ行くことにした。雪に覆われた房総の山々を歩くことなど、めったにできることではない。私の記憶では2006年1月22日以来のことだ。この時は妻と二人で梨沢を遡行した。
五年ぶりの雪の房総。目指すは安房 高山。

2月12日(土)雪

雪が降りしきる。
いつもの通り妻が洗濯物を干し終わるのを待って出発。君津インターチェンジで高速道路をおり、鴨川方面へとハンドルを切る。
周りの山々は白く雪をかぶり、房総の山とは思えないような雪景色が広がっている。房総スカイライン有料道路へは入らず、直進して豊英ダムを目指す。
重たいボタン雪が降る。
今は閉鎖となった森林館という施設を挟んで県道の右側に自販機の設置された立派な駐車場がある。ここへ車を止める。
湿った雪なので、スパイク付きゴム長を選択。いつもの鍋焼きうどんのしたくもおこたりなく歩き始めた。
トレースは皆無。雪もそこそこ深い。杉の樹林帯を抜けて稜線を右折する。照葉樹の中にモミの木が混生する雪の稜線は、時に北八ヶ岳の森にでも迷い込んでしまったかのような感覚さえおぼえるほどだ。そう、ちょうどニウへむかう「しゃくなげ尾根」のようだ。尾根はところどころで幅が狭くなっており、転落したらただではすまない。二箇所ほどトラロープのフィックスされた急斜面を下り、舗装された車道に出る。雪にわだちが残っているから、今日も車の通行があったことがわかる。
車道を50mほど歩くと切り通しのコンクリート則面の手前にビニールテープの目印がある。ここが安房 高山への登り口らしい。注意してみるとコンクリート則面に「高山」とうっすらと消えかかった文字が見える。雪の急斜面をトラバースし、稜線上を進む。右真下には車道が見える。どうやらコンクリート則面の頂上部を歩いているらしい。左側も崖になっているからナイフの刃のような尾根で落ちたらひとたまりもない。
雪に難渋しながらも、ようやく安房 高山の山頂へ到着。小さな電波設備がある可愛らしい山頂だ。南斜面の展望が開けているが、今日は雪雲に覆われて見えない。
雪がやんだので、ここで恒例の鍋焼きうどんと決めた。山頂直下に古いコンクリートの台座があって、ここが格好の休憩場所となっている。さっそく銀マットを敷いてザックの中身を広げる。雪の上に座るのは冷たかろうと、今日は椅子を背負ってきている。椅子に腰掛け雪景色を見ながらアツアツの鍋焼きうどんを食す。
下山は南西方面を選択。すぐに石の祠があって、まもなく舗装された車道に出た。この林道を右へ行けば君鴨トンネルあたりに出ることができるだろうし、ことによると尾崎近くに下降できるかもしれないとあたりをつけて歩き始めた。再び雪が激しく降り始めた。
車道はやがて未舗装となり荒れてきた。みぞれ模様となったボタン雪がシャツをぬらす。しばらく行くと「請雨山」そ記された古い標識が枝にくくりつけられている。この標識には小さく「日東バス折返所・森林館 高体連」とも併記されている。
高体連ということは高山さんあたりが設置したのだろうか思いながら眺める。日東バス折返所・森林館と記述されているのを見て、この林道がその場所へ通じているものと解釈し、更に林道を先へと急ぐ。
やがて三郡山の標識が現れた。どうやら行き過ぎたらしい。ここで初めて地形図を出して現在地を確認する。驚くほど先へ来ていた。どうやら先ほどの高体連の標識に従って請雨山方面へ行くべきだったようだ。
林道を引き返し、高体連の標識に従って山道へと入る。雪に覆われた樹林帯に古いビニールテープがあって、それが道の存在を示していた。晴れていればさぞかし気持ちの良いであろう稜線が続く。やがて尾根は高度を下げ始め、山間の農地の端っこに出た。イノシシよけのネットが張られているが、一箇所巧妙なゲートになっている部分があり無事通過することができた。尾崎のバス折返所がすぐそこに見える。車を止めてある駐車場まではほんの数百メートル。
車を発進させる。往来の雪はすっかり融けていた。
君津で回転寿司に立ち寄り、明るいうちに帰宅。次に訪問する時には小糸川温泉に入ろうと妻と話した。


2011年2月12日土曜日
旧森林館前駐車場 10:31
車道切り通し 11:55
安房 高山 12:14-54
車道 13:05
請雨山標識 13:23
林道折返し地点 13:53
請雨山標識 14:22
請雨山?祠 14:45
尾崎バス折返所 15:14
旧森林館前駐車場 15:20




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