2009年 冬

房総の沢歩き

待崎川(滝根入川西沢)

2009/12/19

美しいナメ滝を遡行する


樋になって流れ込む小さな滝

国土地理院の地形図を見ているというか読んでいると、待崎川の上流部にはいくつかの気になる枝沢がある。
その中の一つである元清澄山から南東方向へ向かって流れ下っている沢を登ってみようと計画した。妻は素直の成田高校へ行くので私一人である。

12月19日(土)晴れ

自宅近くの24時間営業のスーパーマーケットでアルミホイル鍋焼きうどんを購入し、ザックの中に入れた。これを山頂で食べたら美味いだろうなぁ。
保台ダムからお花見広場、そして花木園を過ぎて林道を下っていくと、軽トラックが三台停まっている。生活環境保存林を清掃し、遊歩道を整備しているらしい。
その中の最年長らしきおじいさんに沢の名称を教えてもらった。おじいさんは地形図というものを見慣れていないようで、はっきりしないところもあったが、いくつかの沢の名称がわかった。
今日遡行しようとしているのは西沢らしい。
沢を渡るところで流木と落ち葉を片づけている人たちがいた。その中の一人が「どこへ行くんだ」と声をかけてきた。
「西沢へ行く」と答えると「山ん中で迷わんでくれやぁ」と心配そうに言う。
「こん人は大丈夫だよ」とさっきのおじいさんが答えてくれた。
沢を横断するところから数十メートルほど下ると西沢の出合である。水が冷たいので、できればスパイク長靴のままで遡行したいと思っていたが、いきなり釜が続く。小さく高巻いてしぶとく長靴で遡行していく。所々で土砂が堆積しているところもあるにはあるが、全般的に歩きやすく落ち着いた沢だ。
滝根入川特有ともいえるナメが続く。場所によっては樋状になって日本庭園のようだ。
最後の詰めは正面が円形劇場のようになっており、木漏れ日が林床をまだら模様に照らしている。下草もなく、土砂もないので美しい。
左の急斜面に取り付く。アイスハンマーを泥壁に打ち込みながら登っていくと、金山ダムと元清澄山の間の関東ふれあいの道にでた。右に折れて元清澄山の山頂へ。山頂のテーブルで鍋焼きうどんを食べていたらハイキングのおじさんがやってきた。木更津の人で三ツ石山から登り始め、これから金山ダムへとくだるという。
さらにしばらくすると白人を含めた三人連れがやってきた。この周辺で一度に4人に出会うのは初めてのことだ。今日の元清澄山は大賑わい。
下降は関東ふれあいの道を金山ダム方面へしばらく下ったところにある270mピークから保台ダムへと派生する尾根を使った。この尾根は鈴木さんの「房総丘陵」にも記載されているもので、ピークから少し下った肩に大きな道標があって、下降開始地点を示している。道標があまりにも立派なので、この道はいかにも整備が行き届いているかのように思えるがそうでもない。途中で通過できないギャップがあって、この巻き道がわかりづらい。ギャップから数十メートル下降してきた道を戻るとビニールテープが巻きつけてある。ここから下降方向に向かって左手の斜面を下って行くのだが、踏み跡は不明瞭である。ビニールテープがたどるべき方向を示してくれていなければ戸惑うような場所であった。


保台ダム 9:25
入渓点 10:03
西沢出合 10:05
元清澄山 12:19--13:08
下降開始地点 13:38
ギャップ 13:57--14:06
お花見広場 14:54
保台ダム 15:10


段々になった釜



長靴の中に水が入らないように通過する



地層の縞模様が沢を横切る



この流域では珍しい大きな岩が沢をふさぐ



待崎川に特徴的なナメがここでも見られる

沢のドン詰まり