2007年 冬

房総

水仙ピーク&嵯峨山

2007/01/13


甘い香りが一面に漂う水仙畑



毎年冬になると水仙の花で彩られる。そんな小さな町が鋸山の南にある。
保田である。
保田周辺の山には千葉県山岳連盟の行事で25年ほど前から幾度となく訪れたことがあるが、当時は水仙の花には興味もなく花を目当てに訪問することはなかった。昨冬初めて水仙の花を目的として妻と訪れ、その花を充分に堪能することができた。昨冬は寒さが厳しかったので2月上旬に訪れたが、今年は平年並みというか暖冬なので1月の第一週から満開を迎えつつあるという報道がNHKのニュースで流れたりしていた。天気予報によれば土曜日は快晴という。妻と二人で訪れることにした。

1月13日(土)快晴

妻は朝早くから受験間近の朋子と素直の弁当などを作る。
10時過ぎに四街道を出発。
高速道路を利用しながら84kmを走り、小保田から山村の中の細い道を注意しながらゆっくり走る。下貫沢の駐車スペースに車を止め、仕度をする。この近辺の水仙は関東地方では有名でNHKニュースに流れるくらいだからJRとバスを使って訪れているハイカーも少なくない。駐車場から上に向って水仙畑が広がって、快晴。咲き乱れている水仙をカメラに収めながら登っていく。一旦竹林の中に入ってから右手に再び水仙畑が広がる。水仙の花が幾重にも重なって一面に広がり甘い香りが漂う。妻も写真撮影に夢中。昨年2月上旬に訪れた時には、この水仙畑の水仙は花の盛りを過ぎていたが、今回は1月中旬にして満開である。
その後、照葉樹林の中の登山道の登りが少し続き、嵯峨山・水仙ピーク方面への分岐を向かえる。嵯峨山方面へは急な斜面でトラロープの手すりが設けられている。ゆっくり登っていく。
何人かのハイカーとすれ違うと
「賀来さん」と声をかける人がいる。
びっくり!千葉稜渓山岳会の植草さんだ。今日この房総の稜線を歩いている人の多くが山と渓谷社の「千葉県の山」に導かれて登っているであろうが、「千葉県の山」の著者が元千葉岳連理事長の植草さんである。
ちょうど一年前(06年2月5日)に鋸山のふもとのコンビニエンスストアで再会して、お互いに大いに喜んだものだが、こうしてまたもや房総の山の稜線で出くわすなんて、何という嬉しいことだろう。元岳連会長だった憬稜登高会の倉持さんの訃報について少し立ち話をする。岳連の関係者には人格者が少なくない。先年亡くなられた県庁山岳会の佐久間さんもそうだったし、倉持さんもだ。それはそうだろう、一銭の得にもならない岳連の活動はボランティアそのものだから、それなりの人物でなければ務まらない。また、どこかの稜線で再会を願いながら分かれる。
水仙ピークで休憩。この近辺はまだ花の数が少なく来週辺りが見頃かもしれない。真鍮製のガソリンストーブ「スベア123」に火をつけ湯を沸かす。ドリップコーヒーを淹れた。南側の斜面を向いて倒木に腰を下ろし妻と二人で飲む。正面には冨山が大きく見える。
水仙ピークから稜線を上下しながら少し進むと標高3154mの嵯峨山山頂に到着。嵯峨山の山頂には三角点があるが展望はまったくない。登山道は嵯峨山山頂で急角度に左へと曲がって小さな鞍部まで下り、そこからシダの生い茂った山腹をトラバースしていくと、急に明るく開けて民家の上に出た。梨沢を登り終わってからたどり着く、釜の台集落の一軒である。
この近辺にも水仙が多く、木にたわわに夏みかんが生っている。水仙畑の中には梅ノ木があるから春が楽しみだ。白狐へ向う道をあるいて峠へと向う。途中の陽だまりの平坦地で豪華昼食。とはいってもカップラーメンだが。
ガスストーブとは異なりスベア123への着火は味がある。着火後はしばらくおとなしいが次第にブーッという燃焼音が大きくなる。昔はすべてがこうだった。オプティマス8R、ホエーブス小も灯油ストーブのペトロマックスやスベアも同じような燃焼音。この燃焼音を聴いているだけでなにやら懐かしい。
風がほとんどないので陽だまりではぽかぽかと暖かく、居眠りをしたくなる。
昼食をした広場からしばらく白狐へ向う林道を歩き、途中で小保田への登山道の分岐点。小保田方面へと進む。途中で沢を渡り樹林の中の急坂を登っていくと名もない峠。この少し小保田よりの地点で嵯峨山・水仙ピークへの分岐点に到着。
のんびりと下っていく。
相変わらす、水仙をカメラに収めながらのんびりと下って下貫沢の駐車スペースに到着。冬の日はすでに傾いているが、まだ14時過ぎ。
来週辺りまでは水仙の花を楽しむことができるだろう。



ぽかぽかと心地よい南斜面を行く



妻の撮影



水仙畑から樹林の登山道を登る



植草さん
そういえば・・・、
山からの帰りに電車のなかで会った時の会話も懐かしい



水仙ピークでのスベア123



嵯峨山山頂にて



釜の台集落の中の道を行く



日の傾き始めた下貫沢の駐車スペース


1月13日
 下貫沢 11:19
 水仙ピーク 12:10--12:39
 嵯峨山 12:46
 釜の台民家 13:00
 昼食の広場 13:11--13:53
 下貫沢 14:30