2008年 秋

房総の沢歩き

梨沢

2008/10/13

不動滝を登る素直

三連休の最終日。素直を誘って久しぶりに房総半島の梨沢へ行くことにした。
幾度となく訪れている梨沢だが、七ツ釜は年によって変化が激しい。
今年は行ってみたら七ツ釜は大きな倒木で埋まっていた。倒木の様子から想像するに昨年埋まったようだ。ただし、前後のナメ床は埋まっておらず、まるで南会津のようだった・・・というと少々大げさかな。

10月13日(月)晴れ

朝寝坊の素直をたたき起こす。やっとで起きて来た。
出発できたのは8時。高速道路に渋滞はなく10時に梨沢集落に到着。
いつもの通り梨沢新橋のたもとに駐車。すっかり秋めいた風景を見ながら郷蔵の先で梨沢の河原に降り立つ。梨沢新橋からここまで15分だった。
ここで沢装備を整える。
歩きにくい河原を30分弱行くと不動滝に到着。立ち止まらずにそのまま進む。
今日はナメの上に堆積物がほとんどないため、滑っていく水流に落ち葉が散って美しい。このあたりは歩いていても飽きない。
さらにナメを40分ほど行くと七ツ釜である。こんな梨沢でも観光資源になればと地元の人は涙ぐましい努力をしているのだろう。一昨年までなかった「七ツ釜」と表示された看板が設置されている。ところが変わり果てた七ツ釜。それも七ツ釜の一番の見せ場をマテバ椎の大木がふさいでいる。これが流れを土砂をせき止める形になって釜はすべて砂利に埋まってしまった。いつも楽しみにしていた凹状部のボルダーチックなヘツリも完全に砂利の下。とほほ・・・
でも、七ツ釜の先のナメは健在。気を取り直して遡行を続ける。
すると素直は「腹が減った」という。七ツ釜から10分ほどいったところにある顕著な二股に狭い河原があったので、ここで昼食とする。
今日は手製の弁当を持ってきている。しかも私が作ったものだ。電気釜の白飯を弁当箱に入れ、おかずはフライパンで焼いた3本のウインナーソーセージ。これにレトルトのカレーを温めてかけて食べた。コンビニの弁当なんか比べ物にならないくらい美味い。なんという幸せ。お茶を飲んだりしながら40分ほど休んで遡行再開。
遡行終了点までの30分もナメが連続し、かたわらの倒木にはナラタケが密生している。遡行終了点はコンクリート堰堤の20mほど手前であるが、ここにも新しい看板が設置されていた。沢装備を解いて運動靴に履きかえる。虎ロープの張ってある急斜面を15分ほど登って行く。登りつめたところには小さな大日如来がある。
林道へ出る。
保田見から釜の台まで行って、素直と二人で路傍に腰を下ろし、水を飲んでいたら軽自動車がやってきて乗せてくれるという。素直と顔を見合わせにっこり。まともに歩くと梨沢新橋までここから一時間半かかる。ラッキー!
とはいうものの、歩くことを目的にやってきたのにこれでいいのだろうかと、私は思ったが、素直はまったくそんなことは考えていないようだった。
帰りの車の中で、素直の携帯電話で再生した音楽をFM波を使って車のオーディオに転送できることを知って驚いた。



泥岩か。
いずれにしても堆積岩が織りなすナメは見事



深山幽谷の気配さえ漂う



ただひたすらナメを行く



七ツ釜を塞いでしまった倒木



わたくし自家製のお弁当



もう一箇所、すごい倒木があった



最後までナメの連続


たどり着いた大日如来像に手をあわせる