2007年 冬

房総

鋸山から裏鋸へ

関東ふれあいの道
JR浜金谷駅--観月台--石切り場跡--稜線--鋸山--林道口--鋸山ダム--JR保田駅

2007/01/27


裏鋸の稜線
このベンチに腰かけているとぽかぽかと暖かく眠くなってくるようだ



ベストシーズンを迎えた房総丘陵の中でも、鋸山は石切り場跡の北面に金谷からロープウエイが架かり観光地として一般の人たちにも広く知られている。地獄のぞきと呼ばれる岩の突端から下を除くとぞっとするような高度感。岩登りの時に感じるものよりもビレイされていない分恐ろしく感じるほどだ。
一方、鋸山の本当の山頂がロープウエイの山頂駅周辺からかなり離れた訪れる人もまれな場所にあることは知られていない。ベストシーズンの快晴の土曜日でも2,3パーティーがたどるだけの静かなハイキングが楽しめる。コース自体は大半が関東ふれあいの道として整備されたもので、ところどころにベンチや手すりが配置されている。
今回たどったコースは、昨年の3月初旬に妻と敦子との三人で訪れたもので、咲き乱れる花に大満足したものである。昨年の写真も織り交ぜながら紹介したい。

1月27日(土)晴

先週末は仙台へ出張していたので、今週はどこかへ行きたいなと思っていたが、朋子と素直の受験の真っ最中。先週は大学入試センター試験だったし、今週から素直の受験が始まる。
妻は、食事の世話などしなければならないし、敦子も行けぬと言うので8時に一人で出発。
9時半頃に金谷へ到着。少し風か強いようで海上には白波が立っている。フェリー乗り場付近にある無料駐車場に車を止めた。
暖冬とはいえまだ1月なので菜の花はこれからのようだ。
通いなれた道を観月台へと歩く。観月台への長い階段も雑念を払うようにしてひたすら登っていくと案外近く感じる。
観月台は水仙の名所、保田周辺に比べると少し遅れて咲き始めるから昨年は3月初旬でも充分に楽しめた。今年は暖冬だからどんな具合かと気にかかったが咲き始めたところだった。
観月台から一旦階段で少し下って、関東ふれあいの道として整備された登山道を登っていくと途中に休憩所というのがあって、そこで水を飲み休憩する。汗をかき始めたのでラガーシャツを脱いで、化繊のTシャツ一枚になる。
休憩所から少し登るとT字路。関東ふれあいの道は左で、右は百尺観音を経て地獄のぞき方面である。左折して少し下り気味になっている関東ふれあいの道を行く。
程なく絶壁の下に出る。石切り場の跡である。圧倒されるような巨壁がまるでビルの廃墟のように聳え立ち少し不気味な感じがしないでもない。洞窟のようになったところもあり、池になっているところもある。関東ふれあいの道は岩の隙間を縫いながら整備されている。
途中で左側から車力道コースが合流。
ここから先は、昨年は未整備のため通行止めだったが、補修工事が終わり規制解除されていた。
いよいよ稜線までの最後の登りとなる石段がはじまる。この石段は岩をくりぬいて作ったもので、一段ごとの段差が高くとても急峻。雪の後などに凍り付いている時はちょっぴり怖い。それでもさすがに関東ふれあいの道、両側にアルミの手すりが設置してあって、これをつかみながら登ることができる。
石段を登りきったところが鋸山の稜線、小さなコルで大きな案内板とベンチがある。右に小さなピークがあり展望が良い。このピークから細い踏み跡をたどると「地獄のぞき」まで行くことができる。
今日は左へと関東ふれあいの道を行く。
樹林の中の歩きやすい道を小さく上下しながら進んでいくと小さなピークの上に千葉テレビの中継所がある。この中継所の次のピークが本当の鋸山山頂である。標高329.4m展望はあまりよくないが、明るく気持ちの良いところだ。林道口まで1.4kmの表示がある。ここから林道口までは一部を除いてはほとんど登りはなく楽だ。どんどん進んでいくと気持ちの良い稜線にベンチがあったりする。南側の展望がよく房総の丘陵地帯が広がり、足元には採石場の跡地の水溜りも見える。
杉の植林地帯に入ると林道口も近い。この林道は平成9年に完成したと石碑にあるから10年経過していることになる。利用者はほとんどなく数億円を投じた林道は少しずつ荒れはじめている。ここから保田駅まで4.6km。のんびりと歩いていくが、一人だと知らず知らずのうちに歩く速度が早くなっていく。
JR保田駅から電車でJR浜金谷駅へ戻った。



観月台からしばらく登った整備された関東ふれあいの道



石切り場コンサートホール



2006年3月11日の観月台



2006年3月11日の関東ふれあいの道の石段



2006年3月11日の下山道



2006年3月11日の保田


1月27日
 JR浜金谷駅 9:33
 観月台 9:48
 稜線 10:27
 鋸山山頂 10:39
 林道口 11:10
 JR保田駅 11:56
※今回は単独行だったので、2時間30分というハイペースとなったが、花を楽しみながら歩くのであれば所要時間として5時間は欲しい。
林道口から保田までの4.6kmの車道歩きがこのコースの見所の一つだと思う。花咲き乱れる里山の道をのんびり歩く幸せ。
なお逆コースの場合は石段の下りが急峻で恐ろしく感じるかもしれない。