2011年 冬

南房総

伊予ヶ岳

2011/01/16

伊予ヶ岳北峰から南峰を望む


1980年から1982年にかけての三年間、房総半島と茨城の岩場開拓に熱中した時期があった。それは岩場探しから始まったが、その時の候補のひとつに伊予ヶ岳があった。
ふもとの平群(へぐり)から仰ぎ見る伊予ヶ岳は岩峰状をなし、房総の山とは思えぬほどの景観を持つ。
平群の登山口は標高50mで、山頂が336mなので、往復一時間半という短いコースだが、山頂直下には鎖場もあって、変化に富み面白い。
伊予ヶ岳だけではあまりにも短いが、出発が遅れて時間がない時にはかえって重宝する。 時間が余れば、富山や保田周辺の水仙畑、あるいは保田漁港の「ばんや」へ立ち寄っても良いが、今回は帰りがけに「笑楽の湯」へつかる算段。
なお、クライマーならば触手を動かさずにはおられぬ姿の伊予ヶ岳だが、岩場自体の規模は小さく、岩質も泥岩でもろく、クライミングには不向きである。

1月16日(日)雪のち晴れのち曇り

早朝、目覚めると雪である。しっかりと積もっている。
とてもハイキングは無理だと諦めムードとなり出発が遅れた。9時雪の降りしきる中、行くだけ行って見ようと四街道をでた。
途中のスパーマーケットで買い物を済ませ、外に出てみると雪はやみ晴れ間がのぞいている。館山自動車道を走る頃にはすっかり晴れあがった。
今日は、ハイキングもさることながら「笑楽の湯」への入湯が目的の一つでもあったから内房方面の諸コースの中から伊予ヶ岳を選んでハンドルを切る。
平群には11時に到着した。「へぐり」とは由緒ありげな難読地名である。
大きな鳥居をくぐって車を進めると平群天神社境内には清潔なトイレと登山者用駐車場なる案内板まであって、伊予ヶ岳の人気の高さがしのばれる。すでに11時過ぎで伊予ヶ岳往復の所要時間が1時間30分と言うこともあり、登り終わってくつろいでいる人もいる。
私たちも支度を整え、さっそく登りはじめる。朝方の雪模様がうそのようなポカポカ陽気だが、風は冷たい。
梅林や田んぼの脇をゆるやかにたどっていくと、やがて道は急斜面をジグザグに切って高度を上げていく。
ひと登りで東屋に到着。南に面してテーブルが設置されており、格好の展望地となっている。平群の村が真下に見え、対岸には双耳峰の富山が整った姿でそびえている。これからたどる上方を見ればすでに伊予ヶ岳南峰の頂上がのぞいている。
東屋からはロープの設置された岩場の登りだ。岩の上に乗っている小砂利で靴底がすべる。
やがて伊予ヶ岳南峰に登りついた。下から見える岩峰部分は船の舳先のようになっており、安全のために柵が設けてある。
舳先にまで行くと高度感とあいまって展望は更に迫力を増し、爽快な気分が味わえる。
少しはなれたところにある北峰まで行ってみることにする。
北峰の山頂まで行ってみると三角点があり、南斜面へと下っていくかすかな踏み跡が見られる。ひょっとすると平群まで下れるのかもしれないと思い、下ってみた。古いロープを頼りに10mほど下った。すると小さな祠がある。それは平群の村を見下ろすような形で、のどかな南斜面に、上段中段下段と三つ並んでいた。私たちがたどってきた踏み跡は、どうやら祠へ参拝するためのものらしい。実際ここから踏み跡は不鮮明となり、強引に下降を試みたが野薔薇にはばまれて、それ以上進むことはできなかった。
北峰へ登り返し、登ってきた道を戻る。
斜面を下りきった田んぼの畦道で腰を下ろす。今日も鍋焼きうどんを用意してきている。銀マットを敷いて、その上であぐらをかいてバーナーに火を点ける。いつのまにか雲が出てきて空を覆い肌寒い。暖かい鍋焼きうどんが嬉しい。
平群天神社には二時過ぎに戻り、「笑楽の湯」で体を温め、幸福な休日を締めくくることができた。
竹岡で梅乃家へ立ち寄りたかったが、行列となっていたので諦めたのがちょっぴり残念だった。


平群天神社 11:31
東屋(展望台) 11:58-12:05
伊予ヶ岳南峰 12:18-21
伊予ヶ岳北峰 12:28-53
伊予ヶ岳南峰 12:59
東屋(展望台) 13:09
昼食休憩 13:23-14:08
平群天神社 14:15





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