2010年 秋

筑波山

湯袋道から女体山

2010/11/20

秋の湯袋道から筑波高原キャンプ場への林道を行く


「賀来さん、筑波山はやっぱぁ俺たちにとってはふるさとの山だよなぁ。一緒に登って筑波山の上でビールを呑みてぇな」と木内さんが言っていたのを思い出す。亡くなる一週間前に山仲間たちと病室へ見舞いに行ったときのことだ。木内さんは私の山仲間でも数少ないビッグウォールを登れるクライマーでありヒマラヤニストでもあった。木内さんが亡くなって大きな壁を登れる仲間は中西さんと石渡君くらいになってしまい寂しい限り。
今週末は秋の移動性高気圧に覆われるという予報だが、妻は土曜日の夜に忘年会で17時には帰宅したいと言うことなので、日帰りの計画を立てた。

11月20日(土)晴れ

まだ薄暗い6時に自宅を出発。湯袋峠の岩清水を水筒に満たす。駐車スペースの関係で標高180m地点に車を止めた。ここから山頂までの標高差は700mとなる。
湯袋道は関東ふれあいの道の一部となっており、石畳の道が心地よい。数年前に敦子と歩いたことがあり、その時に秋に歩いたら素敵だろうと思ったのである。
木製の橋を渡って藪に覆われがちな踏み跡へ入っていく。杉の植林地帯の中の渓流沿いの道をゆっくりと登っていく。やがて雑木林となり急登を少し登ると林道にでた。この林道は筑波山の北面、標高400mから500m付近を横切っているもので、右へ行くと筑波高原キャンプ場。左へ行くと湯袋の国民宿舎へ至る。私たちは筑波高原キャンプ場から女体山へ登るので右へ行く。
筑波高原キャンプ場のイチョウの黄葉が見事だ。キャンプ場の中をひと登りして展望の良いテーブルのところで、休憩。朝食とも昼食ともつかない食事をする。今回は山上で鍋焼きうどんを作ろうという魂胆で、そのための道具と材料を背負ってきている。すなわちアルミの一人用鍋。海老のてんぷら、卵、白菜、ネギ、ニンジン、えのきだけ、シメジ、麺つゆ、七味唐辛子。そして茹でうどん。しかもガスストーブは二台。なんという贅沢。
アツアツの鍋焼きうどんの出来上がり!七味唐辛子をかけて食べる。味は言うことなし。体も心もホッカホカ。
小一時間も休んで、出発。
落ち葉が敷き詰められた登山道をゆっくり登っていく。私たちが登っている登山道は女体山の直下で稜線に合流する。稜線はロープウエイやケーブルカーでやってきた観光客でごった返している。女体山の山頂はひとだらけ。
すぐに来た道を戻る。30分ほどで筑波高原キャンプ場へ戻り、しばらく周辺の紅葉を眺める。裾野には稲刈りの終わった水田が広がり、ところどころで稲藁や籾殻、あるいは落ち葉でも焼いているのか、焚き火の煙がたなびいている。日本の里山の風景である。
今日は、妻が一時間あたり標高差400mを登るペースで歩いてくれたことが、とてもうれしい。
湯袋道を下り、車まで戻って、そばを食べに行く。
筑波山周辺は蕎麦の産地で、10月から11月は新そばのシーズンである。秋の休日には、どこの蕎麦屋も大繁盛で1時間待ちなどということすらある。
私たちが行ったのは羽鳥の山奥にある来楽庵(きらくあん)。12時半という昼食時にもかかわらず駐車場には車が三台しか止まっておらず、ラッキー。
もり蕎麦500円なりを食べて家路に着いた。
自宅には15時半に帰りつくことができた。


標高180m地点 08:15
筑波高原キャンプ場 09:12-10:09
女体山 10:58-11:03
筑波高原キャンプ場 11:28-42
標高180m地点 12:20



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