2006年 初夏

筑波山

薬王院から椎尾道

2006/05/13

雨に煙る筑波山自然研究路

今週は、青森出張のあと群馬に出張するなど多忙な連休直後の一週間だった。出張帰りの列車の中から敦子にメールをする。
「明日、朝早く出発して筑波山へ行きたいけど一緒に行きませんか?」
すると敦子からすぐに返信が来た。
「もちろん行きます!」
あいにく天気予報では悪天を予想しているが、雨でも行くつもりである。
薬王院から登り始める「椎尾道(しいおみち)」を想定して土曜日をむかえた。

5月13日(土) 曇りのち雨

5:20に四街道を出発。薬王院周辺を調べるために車でしばらく探索する。周辺の様子が大体わかったので薬王院近くの小さな広場に車を止める。松戸からのご夫婦がハイキングの仕度をしていた。今にも雨が降り出しそうな雲行きだ。
舗装路を少し歩き薬王院の先の「筑波山歩道案内板」から椎尾道に入る。
ところどころに「桃山中学校3年歩け歩け大会5月13日」との貼り紙がある。
5月13日とは今日である。
緩やかな道を30分ほど登っていくと、筑波山の中腹を一周するように付けられている舗装された林道を横断する。この横断地点から椎尾道は関東ふれあいの道として整備されているようである。
やや登ると斜面は勾配を増し立派な階段が現れた。木製の手すりも頑丈で、木部に塗られた防腐剤の匂いが時折鼻をつく。階段は長いが、辛抱して登ると一気に高度を稼ぎ小さな分岐点に出た。標柱があって標高630mとしるされている。この分岐点から斜面を背にして右の方向へハッキリとした道が下っている。9:03ここで、銀マットを敷いて休憩する。
静寂なり。
なんとなく雨がポツリポツリと落ち始めたようだ。
この標柱から椎尾道は斜面を水平にトラバースして行き、尾根筋に出た。尾根の背を少し歩くと4月22日の「男の川道」が合流してきた。そしてまもなく自然研究路に突き当たるT字路にたどり着いた。この筑波山自然研究路は男体山の直下を一周する素敵なプロムナードである。おおよそ30分ほどで一周でき、途中に雨宿りのできる東屋が二つあって、要所要所には筑波山の自然を解説する看板が設置されている。
今日は、逆時計回りで廻ることにしてT字路を右折する。
雨が本格的になって来た。急いで東屋に逃げ込み、雨具を着込む。
吐く息が白く、気温も相当低下しているようだ。
富士見台の東屋の少し先から男体山の山頂へ直接でる踏み跡があるのでこれを利用して9時44分山頂に立った。山頂はガスに包まれちょっとした高山の様相を呈しており気分的には決して悪くない。こんな天候だから、他に観光客はおろかハイカーの姿もなく、なんだかウキウキするような高揚感さえ覚える。
男体山の山頂から一旦、御幸ヶ原へ降りたが、ここにもほとんど人影はない。数人のハイカーがうろうろしているだけだ。
茶店へ寄って、「甘酒を飲みたい」という敦子の希望で「みゆき茶屋」へ入って休憩する。
敦子は甘酒、私は豚汁を注文した。
茶屋の中にいても、強い雨音が聞こえるが、意を決して外に出る。
寒暖計を取り出して気温を測ると8度。風もあるし雨も降っているのでとても寒く感じる。往路を戻ることにして下り始めた。
途中で登ってくる二人のハイカーに出合った。二人とも少し不気味な人で、敦子が怖がる。
さほど急いだわけではないのだが、30分ほどで一気に林道横断地点近くまで下っていくと、下のほうから楽しそうな歓声が聞こえてくる。桃山中学校3年生の歩け歩け大会の集団であろう。
林道横断地点で数十人の中学生が楽しそうにはしゃいでいる。生憎の悪天候で引率の先生方は大変だろうが、子供たちにとっては、それはそれで楽しいようだ。
雨で滑りやすくなった道をのんびり歩き、冷たい雨の降りしきる中、薬王院にとめてある車にたどり着いた。
1時過ぎに四街道に戻り、我が家で昼食を摂ることができた。


薬王院7:45
林道横断地点8:19
自然研究路合流地点9:15
男体山山頂9:44
御幸ヶ原到着9:55
御幸ヶ原出発10:13
林道横断地点10:45
薬王院11:10


薬王院

椎尾道の登り口


かろうじて咲き残っていたニリンソウ





「関東ふれあいの道」の長い階段


男体山の山頂にて


男体山から御幸ヶ原へ下る


みゆき茶屋で甘酒をいただく


筑波山自然研究路を下る


桃山中学校三年生の歩け歩け大会