2006年 初夏

筑波山

羽鳥道から坊主山へ

2006/06/25

石鳥居(下山時に撮影)

筑波山の北面の標高400mから500m付近には筑波山を一周する林道が横切っている。筑波山北面のコースの多くはこの林道を基点としていることが多い。
そういった中で、昔からある古い道は麓の集落を基点としており、途中で林道を横切って山頂まで達している。このような古い道の代表的なものとして「表参道」や「椎尾道」がある。「羽鳥道」もそのような古い道の一つであろう。
そんな「羽鳥道」の存在を知ったのは真壁町羽鳥集落の小さな道しるべだった。道しるべの先を見ると赤松の樹林帯の中に小道が続いている。松葉が敷き詰められた静かな道だ。
このような古い道は、がさつに登るのではなく、ゆっくりと味わうように落ち葉を踏みしめながら歩いてみたい。

6月25日(日) 曇り

土曜日の夕方まで札幌で仕事をしていたので、翌日日曜日の山歩きは困難かなと一時は弱気になったが、勤務先のメンバーの協力もあって、何とか23時過ぎに四街道の自宅に帰りつくことができた。
四街道を6:00に出発。
のどかな羽鳥の集落にある薬師堂の路肩にフォレスター号を駐車。二万五千図で読むと標高107m地点。小さな道しるべに「薬師堂」「羽鳥道」と記されている。
曇り空だが、雲が薄いようで明るい。
羽鳥から旧筑波ユースホステルや筑波高原キャンプ場へ通じている「裏筑波観光道路」をゆるく登っていく。「羽鳥道」は、この舗装路を縫うようにして幾度も交差しながら筑波山の裾野を緩やかに登っていく。
しばらく登ったところで羽鳥道は鳥居をくぐる。筑波山が信仰の山、すなわち霊山であることをあらためて実感する。
数度舗装路を横断していくと左手に瀬音が聞こえ始め、「林道鬼ケ作線」の分岐点の少し手前で「男の川」の川岸にたどり着く。ちょっとした広場になっており休憩には絶好の場所である。
「羽鳥道」の道しるべは、この「林道鬼ケ作線」の分岐点あたりまで来るとまったく見られなくなる。
ここから筑波山の山頂へ向うには幾つかの登路があるが、最も自然なのは4月22日に歩いた「男の川」伝いに登るものであろう。途中には延命水もあるし、道もわかりやすい。羽鳥道の正規ルートは男の川道を利用して山頂に至るものなのかもしれない。
すでに「男の川」は踏破済みなので今日は新しいルートを探ることにする。
検討の結果、筑波山一周林道を右折して50m行ったところに細い踏み跡があることを知っていたので、これを歩くことになった。このトレールを登っていけばおそらく坊主山710mにたどりつきそうである。
檜の植林地帯を敦子と二人でゆっくりと歩き始めた。登り始めてすぐに踏み跡は消えた。所々に赤いビニールテープがある。このビニールテープは斜面を最大傾斜線に沿ってまっすぐに上へ上へと登路を示しているようだ。
まもなく檜の植林地帯は途切れ広葉樹林帯になる。道らしき形跡はまったくないが、下草が繁茂していないので、斜面のどこでも自由に歩くことができる。
標高500mまで登ってくると踏み跡は次第に明瞭となり始めた。さらに少し登ると登山道といってもよいほどにはっきりとした道となった。歩く部分が大きくえぐれているから、昔はかなりの人が歩いた道だろう。
坊主山710mに到着。展望はないが気分のよいところだ。少し休憩する。坊主山から男体山へは標高差160mに過ぎない。坊主山と男体山を結ぶ稜線をのんびりと歩いていく。
途中で木苺が生っているのを発見。一つつまんで口へ入れてみるととても甘い。敦子も大喜び。
今日は一旦御幸ヶ原へ出ることにして、自然研究路を左折する。
御幸ヶ原へでると勤務先の寺脇さんに会った。お互いに驚きあう。つつじヶ丘から登ってきたのだという。
いつものとおり、湯を沸かしてコーヒーとお茶を飲み、敦子はゴマアイスを食べる。
帰路は一旦、男体山の山頂へ登り、男の川道を下山した。


羽鳥道は筑波山にしてはロングコースである。真壁町羽鳥の薬師堂から林道鬼ケ作線の分岐点まで、裏筑波観光道路と幾度も交差しながら登っていくが、裏筑波観光道路を通る車は少なく不快な感じはしない。冬の陽だまりハイキングに最適である。羽鳥道から男の川道をつなげて登るコースが最も自然だろう。
裏筑波観光道路沿いに小滝不動があり、そこに蕎麦屋の看板がある。こんなところに蕎麦屋?と不思議な感じがするが、行ってみるとなかなかだった。
帰りがけに海浜幕張へ直行し、モンベルで敦子に二枚のシャツを、カルフールでブルーチーズのロックフォールとワインを買った。


真壁町羽鳥薬師堂(標高110m)8:48
林道鬼ケ作線分岐点(標高420m)9:47
坊主山山頂(標高710m)10:37
御幸ヶ原(標高790m)10:55--11:24
男体山山頂(標高871m)11:32
男の川橋(標高440m)12:07
小滝不動の蕎麦屋(標高190m)12:34--13:20
薬師堂(標高110m)13:28


起点となる薬師堂


歩きやすい羽鳥道


幾度となく舗装路を横断する


坊主山への新しい登路の登り口


広葉樹林帯の中には踏み跡はない


坊主山山頂


小滝不動の蕎麦屋「来夢庵」
少々風変わりなので、辛抱強さが求められる

とろろそば700円、そばは非常にコシが強い。
ゴマ豆腐がついていたがこれも美味