2011年 冬

奥多摩

雲取山

2011/01/08

あふれんばかりの光の中、雲取山避難小屋が見える


この三連休は、初日に妻とどこかへ行こうということになった。
ちょっぴり登りごたえがあって、変化に富み、しかも安全なコースはないかなぁ・・・。と、あれこれ考えること自体が山登りの楽しみの一つ。
先週に続いて八ヶ岳でも良かったけれど、がらりと趣向を変えて雲取山を日帰りで計画した。
冬の日は短い。鴨沢からのコースを選択したが、小袖乗越まで車で上がり標高差で190mほどショートカットすることにして計画書を用意した。

1月8日(土)晴れ

早朝4時30分、四街道を出発。6時40分鴨沢着。小袖乗越へ続く林道の入り口がわかりづらい。
小袖乗越の100mほど手前に小学校の校庭ほどもある広場があって、ここに車を止める。すでに4台の車が止まっていた。
今年は例年にない強い西高東低の気圧配置と大陸からの寒気がクリスマス前から続いており、太平洋側に属する山々にはほとんど積雪がなかったようだ。
標高差1300mの往復を日没前に終えなければならない。気を引き締めて7時19分、歩き始めた。
100mほど舗装路を登っていくと小袖乗越の分岐。この分岐を右へ進み100mほど歩くと左に雲取山への登山道の入り口がある。登山道には雪はまったくなく落ち葉を踏みしめながら冬木立の雑木林や杉の植林地帯を登っていく。
途中には廃屋や畑がある。ふと下を見ると小袖の集落がすぐ近くに見える。ここが小袖集落の生活圏内であることがわかる。
尾根の右側の斜面をトラバースしていた登山道は標高1200mを越えるあたりで尾根の上に出る。この地点が「堂所」である。「堂所」から明るい尾根道を登っていく。
やがてマムシ岩。ここで大休止。テルモスの熱い湯でインスタント味噌汁を溶かし握り飯を食べる。
マムシ岩から少し登ると七ツ石山を巻いてブナ坂へと至る迂回ルートの分岐点に到着。迂回ルートを選択。
桟道を渡り、トラバースを続けていくと雪が道を覆い始めた。そしてブナ坂へ。
ブナ坂は完全に雪におおわれていた。名前はブナだが周辺はカラマツ林。このブナ坂から雲取山をつなぐ「石尾根」と名づけられたこの稜線は、南西側の斜面が草原になっており、明るく展望がすこぶる良い。富士山から南アルプスを見ながら登っていく。傾斜もゆるく道幅も広い。
途中で若い登山グループとすれ違った。大きなザックとあどけない顔立ち。最後尾には顧問の先生らしきし人。高校生山岳部の山行であろう。
やがて五十人平と呼ばれる幅の広い尾根の先にある奥多摩小屋に到着。雪を屋根にのせて静かにたたずんでいる小屋。泊まってみたくなるような小屋だ。
少し休んで、更に気持ちの良い尾根道を登っていく。
やがて雪はしだいに深くなっていく。
小雲取を越えると雲取山山頂に建つ雲取山避難小屋が見え始めた。なんという気持ちの良い雪の尾根だろうか。
雲取山避難小屋に到着。ひとまず小屋の裏にある山頂へ。山頂を踏んでから雲取山避難小屋の中で昼食。いつもの通り、茹でた野菜をトッピングしたカップ麺。登山客はそれほど多くなく、小屋の中で昼食をとったのは私たち夫婦以外には単独行の若者が一人だけ。
30分ほどで雲取山避難小屋を後にする。
一応本格的なアイゼンを持ってきているが、必要性を感じるような場面はなかった。なんとか明るいうちに下りきりたいので、頑張って歩く。下っていくと登ってくる登山者とすれ違う。見ればウレタンマットや寝袋を持った人たちばかりである。おそらく雲取山避難小屋に泊まる計画なのであろう。小屋は相当な混雑になりそうだ。
雲取山避難小屋から3時間をほぼノンストップで下りきり、16時に小袖乗越の駐車場へたどり着くことができた。
今回の標高差1300mの往復を難なく登りきった妻。昨年7月に笛吹川へ登った時に比べると、彼女が見違えるように強くなったと感じた一日だった。

丹波山村の「のめこい湯」で冷え切った体を温め、付属の食堂で「ほうとうセット」を食す900円也。18時半に家路についた。
高速道路に渋滞はなく、二時間少々で四街道に帰着。

走行距離337km、ガソリン消費35リットル。


小袖乗越 07:19
堂所 8:59
マムシ岩 9:29-47
ブナ坂 10:42
奥多摩小屋 11:25-31
雲取山 12:26-13:03
奥多摩小屋 13:37
ブナ坂 14:00
マムシ岩 14:36
堂所 14:57
小袖乗越 16:04



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