2008年 初夏

奥多摩 盆堀川

棡葉窪
(ゆずりはくぼ)

2008/05/10

中盤の「くの字」滝、上部はツルツルだがつっぱりで登ればOK

奥多摩、武蔵五日市の市街地も近い盆堀川。その支流に棡葉窪がある。「ゆずりはくぼ」と読む。「沢」ではなく「窪」だという。
いつだったか細田さんに「棡葉窪に行きたい」と言ったら「あれは短すぎるよ」と笑われたことがある。
1979年草文社発行の「東京周辺の沢」では、棡葉窪を
「まだ沢登りの楽しさを知らない人達にぜひ歩いてもらいたい沢である」
と紹介している。
実際はどうだったのか?
とても短いかわいらしい沢である。遡行に要したのは、たったの35分。内部は薄暗く、倒木なども散乱し、決して美しい沢ではない。さらに採石場の騒音が最後までついて回る。
西丹沢のマスキ嵐沢の方がよっぽど気が利いているように感じる。
薄暗い雨天下の遡行ゆえだろうか。晴れた日に来たら、また違った印象になっていたかもしれない。もう一度来て見よう。

5月10日(土)曇り時々雨

冷たい雨が降っている。天気予報では3月から4月上旬の気温だと報じている。
盆堀川沿いの採石場の前まで車で入った。砂利を乗せたダンプカーが出入りしてけたたましい騒音が鳴り響いている。
採石場の前にある橋を渡ったところに車を止める。渓流シューズにネオプレンスパッツを装着し、ヘルメットをかぶって川へ降りる。左岸から階段状の樋のような滝になって流れ込む小さな清流が棡葉窪のようだ。
さっそく登り始める。
採石場では棡葉窪から取水しているのか太いゴムホースが上流へと延び、さらに多量の落ち葉がべったりと岩に貼りついている。この二つが景観を著しく損ねている。しかも雨模様の曇り空で、薄暗い。
小さい滝でも小さいなりに立派な釜をもっており、釜には澄んだ水がたたえられている。落ち葉が一掃されたらさぞ美しかろう。
ゴルジュっぽくなって二段くの字滝に到着。
上段はつるつるだが凹角状なので「つっぱり」で登る。岩登りテクニックに慣れていない人にはちょっと難しく感じるかもしれない。
小さな滝をいくつか越える。
少し行くと釜をもつ3m滝に到着。左に古い残置スリングがある。残置スリングをつかんで越えたが、フットホールドが滑りそうなので最後の一歩は慎重に足を運ぶ。すぐ上に4mチョックストーン滝が見える。
難なく越えるとややわかりずらい二股。終了点の二股にしては早すぎるような気もする。登り始めてからまだ35分しか経過していないからだ。ザックを下ろし、遡行図を見る。
遡行図によれば最後の滝はチョックストーン滝になっている。
これが終了点の二股だ。あっけにとられるほど短い。
杉木立の斜面を登っていくと明瞭な踏みあとに合流。これが遡行図にある作業道であろう。20分ほどで採石場の前に戻ることができた。



棡葉窪の出合



二番目くらいの滝



左側から登ってスリングをつかんだが
最後の一歩がすべりやすいので要注意



最後のチョックストーン滝



御前山で登山大会を見学
私の「黒い瞳」が歩いてきた



高校生達のテントが並ぶ、氷川キャンプ場