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日経ビジネス2008年10月27日号

登山界ではLEDのヘッドランプが全盛である。家庭用の懐中電灯でも同様であろう。光量が低いことを除けば、LEDは球切れがなく、消費電力が低く申し分ない。
機能的な弱点である照度については大いに不満があり、より明るくというニーズは強いものがある。実際、より光量の大きいモデルが数ヶ月ごとに次々とリリースされている。今後、LEDはどのように進化していくのだろうか。そんな記事が日経ビジネスに掲載されていたので、まとめてみた。

第四次照明革命-----未来を照らすLED-----発光効率とコストが急改善、量産競争の幕が開く

発光効率はルーメン/ワット(lm/w)と表現されるが、白熱電球のそれは10から15 lm/w。
今年の4月に日亜化学が150lm/wのLEDチップの本格量産を開始したというから、おおよそ白熱電球の10倍である。実際の照明器具に実装すると発光効率は3割落ちるということなので105lm/wといったところか。
一方、私が昨年購入したヘッドランプは3wで85ルーメンなので、発光効率は28lm/w(85lm÷3w)と計算できる。この発光効率は照明器具への実装状態での照度に基づいていると考えるとLEDチップ自体の実力は40lm/w(28lm/w÷0.7)ということになる。
もし、この3ワットのヘッドランプに150lm/wのチップを採用すると315ルーメンとなる。
記事によると200lm/wの量産開始も時間の問題とある。これだと同様に見積もると420ルーメンである。
今年の夏に新しいヘッドランプを買ったが、150ルーメン・消費電力は5ワットと推定される。非常に明るく、重宝しているが、LEDチップ自体は最新型ではないことがわかる。もし4月に本格量産され始めた150lm/wのチップならば525ルーメン、200lm/wのチップでは700ルーメンとなる。
ここまで明るくなれば、どれだけ夜道を安心して歩くことができるだろうか。ワンダーのヘッドランプを手にした時とは比べ物にならない恩恵をこうむることができる。
しかも発光効率の向上は加速度的に向上していくという。
気になるコストだが、現在1ルーメンあたりの単価に換算して蛍光灯の5から10倍であるLEDのコストも2012年には1ルーメンあたりの単価が蛍光灯の2から3倍程度にまで縮まると記事は予測している。

より明るいヘッドランプの登場は今後も続いていきそうだ。

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