最近の雑誌とカタログから

マジックマウンテン カタログ第29集 2004年春夏号

マジックマウンテンの取扱商品は派手さはないものの玄人好みのギアがあったりして、なかなか好ましく感じることが多くよく手にする。
おっと、最新のカタログを見るとFIXEのハンガーとアンカーが掲載されているではないですか。

FIXE

岩場の開拓が少なくない私は今までにおびただしい量のアンカーを岩場に打込みハンガーを取り付けてきた。初期の頃の自作のハンガーに始まり平山ハンガー、平山ハンガーが手に入らなくなってからはペツル。アンカーも数種類の変遷を経て現在のものに落ち着いた。
フリークライミングが盛んになるにつれてアンカーやハンガーさらにはビレイステーションに対する安全性への感心も高まりつつあり、信頼するに足るスペインのFIXEブランドの製品がこのようなメジャーな代理店のカタログに掲載されるようになるとは大変喜ばしいことだ。
製品の特性を考えるとバックアップシステム併用型で使用するのがベターのように思えるのでフリークライミングの終了点では#037ラッペルステンレス。本 番のラッペル支点には重量の観点から#040D-10フィクス2ステンレスの二本設置といったところか。特に本番の懸垂下降の支点に関しては#040D- 10フィクス2ステンレスのようなものが欲しいと切実に思う。
ハンガーのほかにもアンカーがいくつか紹介されている。カタログ上ではボルトという表現がされているが正式には「あと施工アンカー」と呼ぶらしい。日本建 築あと施工アンカー協会のホームページや書籍「あと施工アンカー設計・施工読本」を立ち読みしてみると次のような分類がされているようだ。


社団法人日本建築あと施工アンカー協会」ホームページより転載

図によると、よくフリークライミングルートで見かける金属系アンカーの正式名称は「芯棒打込み式」と「本体打込み式」だと言うことがわかる。また、ペツルのハンガー&アンカーセットの商品名「クールグージョン」のアンカー部分はウエッジ式に該当するようだ。
ついでに「あと施工アンカー設計・施工読本」やアンカー製造業者の「サンコーテクノ」のサイトで製品のスペックを読んでみると平行拡張型の中でもダブルコーン式の強度がずば抜けて高いことがわかる。
ところで私が今まで使用してきたアンカーも正式名称がやっとわかった。内部コーン打込み式(ステンレス製)でサイズはM10。これを接着剤と共に専用打込み棒で施工している。カタログ値によると15.6kN(1,600kg)の引張強度とのこと。
私が「内部コーン打込み式」を選択している理由は次の通り
1.下穴の底の形状に影響を受けない
2.チップ(楔)を紛失しにくい
3.施工が確実
4.アンカー自体が岩から突出しない(不要になったらパテで埋めることができる)

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