最近の雑誌とカタログから

岳人2008年10月号

岳人の読者投稿欄には、首をかしげるような記事が時々掲載される。
例えばクロニクル欄で数度にわたって掲載された記録にピッチグレードWからX前後のルート開拓をグラウンドアップと称する投稿者。X級前後のグレードでグラウンドアップは当たり前で、6000m峰登頂を「無酸素登頂」と言っているのに等しかろう。
またあるときにはかわら版に、前月号で木いちごという表現をした記事があってそれに対して、木いちごという植物は学術的には存在しないと噛み付くというのもありました。
思うに岳人編集部は問題提起のために投稿をあえて掲載しているのかも。
「こんな認識の登山者がいるけれど、これでいいの?」と読者に問うているのではないのかと。
そして今回も・・・

かわら版・・・早く登る組と語らい組の共存 切合避難小屋での出来事

避難小屋で夜19時20分まで騒いでいたら、他のパーティーに注意された。昔は消灯21時で起床は4時だった・・・という投稿である。
私は一読してあきれた。
登山者の世界では山に登ること、安全に下山することが優先される。私自身も仲間達や家族での語らいを目的として山へ入ることがある。それでも近くに他の登山者があるときには、日没をめどにして語らいをやめる。
投稿者は50歳の方だが、昔は消灯21時、朝は4時だったという記述している。40年近く山登りをしているがこんな話は聞いたことがない。
夏山縦走では日没と共に就寝し、日の出の2時間から3時間前に起床して早立ちする。そして次の目的地には可能な限り早く到着するというのがあるべき姿である。
山での語らいを否定するわけではないが、優先されるべきは「あるべき姿」だと思う。

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