2002年夏

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ぼくの登山日記

北アルプス 槍ケ岳北鎌尾根
2002/8/11--8/17
千葉県四街道市立四街道小学校5年 賀来素直


毎年家族で北アルプスに登っています。今年は家に大きなクライミングボードが出来たのでお父さんが会社から帰ってきてから毎日夜いっしょに登りました。ぼくは5回も登れるようになりました。お父さんが今年は久しぶりに廻り目平に行こうかと言いました。敦子お姉ちゃんもフリークライミングがしたいと言いました。
でも結局北アルプスに行くことになりました。登る山は槍ケ岳です。槍ケ岳には、3回目の登山です。槍ケ岳に登る道の中で1番難しい北鎌尾根を登ることになりました。今年はお母さんが用事でいけないのでお父さんとお姉ちゃん達と行くことになりました。

8月11日

朝起きて準備をしていたらお父さんの友達が来ました。お父さんが「お茶を持って来なさい」と言ったのでペットボトルを持って行きました。お母さんが出かけていたのでコップを持って行くのを忘れました。お父さんの友達は土橋さんです。おみやげをくれました。9時になったのでカトリック西千葉教会へ行きました。ミサが終わって掃除をして出発しました。
途中でマクドナルドにいきました。ぼくはハンバーガーを2つも食べたのでみんなにびっくりされました。
ねむっているうちに沢渡につきました。温泉の駐車場に車をとめました。上高地へバスを待ちました。しらない女の人がぼくたちに話しかけてきました。7日間も山でテントにとまると言ったらおどろいていました。写真をとってくれました。そしてバスにのりました。
上高地についたら夕方でした。寒くてとりはだがたちました。小梨平キャンプ場につきました。子どもたちだけでテントをはりました。テーブルの上でゆうごはんを食べました。

8月12日

朝4時におこされました。朝ごはんは大好きなプリンでした。プリンを2つ食べました。6時に出発しました。途中でおかしを食べながら歩きました。
徳沢園でソフトクリームを食べました。また元気がでてきてどんどんあるきました。でも横尾につくころにはだんだんつかれてきました。横尾の食堂でお昼ご飯を食べようとしました。でもまだ食堂はやっていませんでした。しかたがないのでポテロングとオレンジジュースを飲みました。また元気がでてきました。槍沢ロッヂをすぎてババ平についたのは1時でした。お父さんは2時間もはやくついたとほめてくれました。ババ平にはテントがたくさんはってありました。携帯電話でお母さんに電話をしました。夕ご飯はテントの外のいしがきでカレーを食べました。ときどき雨が降ってきました。テントの中でお姉ちゃん達とドラえもんの絵描き歌を歌って遊びました。
山なのにあたたかくてねぶくろから足をだしてねました。

8月13日

朝起きたら雨が降っていました。でもすぐやみました。出発したらまた雨がふってきました。
雲で山は見えませんでした。大曲というところから急な坂道になりました。
だんだん晴れてきて暑くなって来ました。
途中ですれちがったおばさんがみかんをくれました。お姉ちゃん達とお父さんとぼくで分けて食べました。とてもおいしかったです。
10時頃に水俣乗越という所につきました。お昼ご飯のおにぎりをみんなで食べました。それからハーネスとヘルメットをつけました。そしてお父さんがぼく達をロープでむすんでくれました。水俣乗越から急な坂道をくだりました。
何度も転びました。お父さんがすぐに止めてくれました。木の枝に赤いきれが結んでありました。赤いきれにはK・Dとかいてありました。
お父さんが「土橋さんがつけてくれたんだよ」と教えてくれました。そこから雪の上にでました。お姉ちゃんもぼくもつるつるすべりました。お父さんがロープで止めてくれました。雪の上で猿を見ました。雪から冷たい風が吹いてきました。冷蔵庫のドアを開けた時のようでした。
雪が終わって石がごろごろした所を歩きました。途中で水たまりの水で石に字をかいて遊びました。だんだんつかれてきました。なんども休みました。北鎌沢出合という所につきました。ガスボンベと帽子が置いてありました。水がないので遠く離れた所までお父さんが水をくみにいきました。その間に敦子お姉ちゃんがテントをはりました。ぼくも手伝いました。お父さんが夕ご飯を作っている間お姉ちゃん達と焚き木を集めました。夕ご飯はマーボー春雨でした。とてもおいしかったです。ご飯を食べている間に警察のヘリコプターがきました。ぼくたちのテントの上にとまってどこかに行ってしまいました。ご飯を食べたあと焚き火をしました。今日は花火をするので楽しみでした。
でもなかなか暗くなりません。「早く暗くならないかなぁ」と待ちました。7時頃になって暗くなったのでやっとはなびをすることが出来ました。花火が終わったらとてもねむくなってきました。テントの中にはいってすぐにねむってしまいました。

8月14日

いつものとおり3時半に起こされました。テントをたたむときぼくも手伝いました。
5時50分に出発しました。「今日はものすごく疲れるからゆっくり登ろうね」とお父さんが言いました。北鎌沢を10分登ったら水が流れていました。大きな岩をいくつも登って行きました。
途中できゅうけいしているとおじさんが二人登ってきました。お父さんとおじさんが話をしていました。それからお父さんが「登りすぎた」と言ってくだり始めました。30分くらいくだってきゅうけいしました。若い女の人が登ってきました。そして水をくみました。ぼくも水を背負いました。
きゅうにザックが重くなりました。急な坂道をどんどん登って行きました。坂が急でなんども立ち止まりました。だんだん雲が出てきてときどき雨が降ってきました。草の中を登りました。ブヨがたくさんいました。ぼくたちの顔のまわりをたくさん飛んでいました。お父さんが虫よけシールをヘルメットにはってくれました。ぼくはすごく疲れていました。がんばって登ると平な所にでました。
ここは北鎌沢のコルと言うところです。お父さんと敦子お姉ちゃんが相談していました。時々強い風が吹いてきて雨も降ってきました。
お父さんが「今日はここでテントをはることにしよう。」と言いました。まだ12時だったけど疲れていたのでほっとしました。テントの中でお姉ちゃん達と歌を歌ってあそびました。外で大きな声が聞こえました。お父さんが「さるだ」と言ったのでみんなでテントから顔を出して猿を見ました。ぼくは猿に大きな声を出しました。でも猿は全然逃げませんでした。猿はテントの近くの木の上に座って叫んでいました。今日の夕ご飯はマーボー春雨でした。ごはんがたくさんのこりました。お父さんが「これから雨が降る日もキャンプをしなければいけないかもしれないから食べ物を大事にしないとだめだ」と言いました。
今夜も暑くてねぶくろからあしをだしてねました。

8月15日

朝起きたらおとうさんが「今日は雨が降っているのでお休みだ」と言いました。
雨がザーザー降っていてテントの外には出られません。雨の水をあつめてスープを作って飲みました。お父さんは「食べ物を無駄に出来ないから、昨日残ったごはんをきれいにたべることにしよう」といいました。昨日のご飯をおかゆにして食べました。でも半分しか食べられませんでした。お昼になっておなかがすいたのでのこりのおかゆをまた食べました。お姉ちゃんと遊びながらビーフジャーキーを食べました。ぼくはビーフジャーキーが大好きです。おねえちゃんもビーフジャーキーが大好きでした。
時々テントの前を人が登っていきました。テントの中は暖かいけど雨の中を登っている人はびしょぬれでした。夕方になってまたおなかがすきました。残ったおかゆに水をたしてスープのようにして食べました。
松本のどんぐりというレストランの話をおとうさんがしてくれました。敦子お姉ちゃんは「はやく松本にいってポークカツを食べたい」といいました。朋子お姉ちゃんも「はやく食べたい」といいました。ぼくも食べたくなりました。
それから敦子お姉ちゃんは「トマトが食べたい」といいました。朋子お姉ちゃんは「キュウリにマヨネーズをつけて食べたい」といいました。
夕方になっても眠くありません。お姉ちゃんたちとクイズをしたり歌を歌ってあそびました。ぼくは知らないうちに眠ってしまいました。

8月16日

お父さんが「おきなさい」といいました。ぼくはねむくてしかたがありませんでした。
朝ご飯はまたスープのようなおかゆでした。ぼくはねむくてねぶくろをふくろにしまうことができませんでした。だんだん明るくなってきました。お姉ちゃん達も急いでしたくをしています。
お父さんがフライシートをはずしています。そしてテントの中の荷物をどんどん外へ放り投げています。「みんな靴をはきなさい」とお父さん大きな声を出しました。ぼくは一生けんめい靴をはきました。お父さんと敦子お姉ちゃんがちらかった荷物どんどんザックにつめていきます。あっという間にきれいになりました。お父さんが「まわりに落ちているゴミを全部拾いなさい。」といいました。ぼく達のゴミでないものも全部拾いました。ひろったごみはおとうさんがせおいました。みんなのしたくができたのでしゅっぱつしました。ぼくはお父さんにロープでむすんでもらいました。どんどんのぼって行くと昨日ぼく達のテントの前を通った人たちがキャンプをしていました。そのひとたちが「ちいさいのにえらいね。」とほめてくれました。とちゅうで岩場があってロープをだしてのぼりました。のぼリ終わってお父さんを見るとお父さんの指がわれて血がたくさん出ていました。
お父さんの服に血がたくさんついていました。ぼくはびっくりしました。それから頑張って登るとてんぐのこしかけと言うところにつきました。
お父さんが「今日はみんなすごく頑張った。このままがんばりつづければ今日中に槍ケ岳をこえられるよ」と言いました。朋子お姉ちゃんはそれをきいて「うれしい」といいました。
独標という所につきました。お父さんが最初に登って行きました。ぼくはロープマンを使って登りました。両側ががけになっていてとてもこわかったです。上の方にお父さんが見えたときほっとしました。
独標の頂上で休憩をしました。これまで大事にとってあったトッポを食べました。そこから難しいところを歩きました。お父さんが何度も「この岩はつかんだらだめだよ」と教えてくれました。ときどきお父さんがロープで引っぱってくれました。雲がどんどんわいてきて時々何も見えなくなりました。少し歩いたところでまたお父さんが「みんなものすごくがんばったねこれなら今日中に槍ケ岳をこえられるかもしれない」とほめてくれました。どんどん歩いていくと小さな茶色い鳥がいました。雷鳥でした。みんな雷鳥を見るのははじめてでした。
お父さんが背負っていた水をどんどんすて始めました。
たくさんの水が地面にしみこんでいきます。次から次へと水をすてました。
そのあとまたロープマンをだしました。お父さんの後についていくとだんだん暗くなって雨が降り始めましたお父さんは「みんないそげ」といってぼくをロープでひっぱりました。ぼくはロープで引っ張られて何もしていないのに体がどんどん上にあがりました。
槍ケ岳の山頂に着いたときにはうすぐらくなっていました。お父さんは「いそげいそげ」と大きな声をだしました。槍ケ岳の山頂では休憩をしませんでした。
敦子お姉ちゃんがさきに下りましたそして朋子お姉ちゃんその次にぼくです。最後にお父さんがロープでこども三人を落ちないように引っ張ってくれました。ぼくは寒くて手がうまくうごきません。くさりをときどきはなしそうになりました。下についたときには真っ暗になっていました。
お父さんは「このまま殺生小屋へ下るから頑張れ」と言いました。あめがザーザー降っているので寒くてしかたがありません。
下を見ると殺生小屋が明るく見えました。小屋の前のベンチにザックを降ろしました。雨が降ってぼくはガタガタ震えていました。敦子お姉ちゃんがぼくをさすってくれました。お父さんが「小屋の中へ入りなさい」と言いました。小屋の中は明るくてストーブがあってとても暖かかったです。小屋のお兄ちゃんはぼくが「北鎌尾根から登ってきた」と言うとファンになってくれて「サインください」と言いました。ぼくはちょっと恥ずかしかったけどサインをしました。お兄ちゃんは「こんな家族ははじめてみた。いままでで一番すごいパーティーだ」と言いました。
お父さんが迎えにきました。小屋のお兄ちゃんが傘を貸してくれました。ぼくはねむくてしかたがありません。お姉ちゃん達は大きな声で笑っていますがぼくはすぐにねぶくろにもぐりました
「なんにも食べないといけないから」と敦子お姉ちゃんがいうのでスニッカーズを食べて寝ました。あとは夢の中でした。

8月17日

お父さんに起こされてテントの外に出てみるとはれていました。今日は山をくだって上高地へ行く日です。ぼくもお姉ちゃんもうれしくてたまりません。急な坂道を何度も休みながらくだりました。ババ平についたときにはやっと安心しました。
がんばって歩いて徳沢についたときお昼ご飯にお姉ちゃん達はカレーライスやおでんをたべました。ぼくはソフトクリームをたべました。とてもおいしかったです。
だんだん疲れてきて上高地につきました。上高地についたらバスに乗る人がならんでいました。順番を待っているうちに1時間たってしまいました。沢渡の駐車場へ着いたのは7時でした。温泉もすごく込んでいて順番を待ちました。
みんなが温泉をでたのは8時でした。本当はどんぐりと言うレストランに行きたかったのですがもういけません。しかたがないのでロイヤルホストへ行きました。
ぼくはアメリカンハンバーグを食べました。朋子お姉ちゃんはかきフライハンバーグを食べました。敦子お姉ちゃんはサーモングリルをたべました。
食べ終わったら10時になっていました。ぼくは疲れていたのですぐに眠ってしまいました。目がさめると四街道の家についていました。玄関のドアを開けるとおばあちゃんが「お帰りなさい」といいました
2階に上がるとお母さんがいました。
ぼくは本当にうれしくなりました。
★保護者注:本人が自らキーボードを打って作成したテキストに私が写真を貼ってUPしております。