土橋師匠のオンラインアルバムIndex

土橋敬司氏から私へ送られてきたオンラインアルバムを、氏の許可を得て公開したい。
氏は1960年代に一ノ倉沢衝立岩正面壁ダイレクトカンテ単独登攀の経験を持つ。当時ボルトはハンドメイドだった。残念ながら遠藤甲太氏が綴る登攀史に関連する著作には記載がない。
そんな土橋さんと私の出会いは2002年春の北鎌尾根。その2002年当時60歳と伺った記憶がある。
あくまでも謙虚で腰の低い氏の周りには、その人柄を慕って多くの人が集まる。
毎日のハードトレーニングを欠かさず、現在も山の現役である氏は、私の手本であり目標である。

タイトル 撮影日 解説
2013/07/09 土橋さんからお便りが来ました
日光白根へ行かれたとのこと
オンラインアルバムをお楽しみください

*****以下メールの引用です*****
岳友の要望(ガイド&ボツカ役?)で、奥白根山〜前白根山の周遊を楽しんで来ました。
 弥陀ヶ池の逆さ奥白根は×でしたが、奥白根の登りでは会津及び尾瀬の山並みを眺め、山頂では360度の景色を楽しみました。
 計画では奥白根山頂〜避難小屋〜五色沼〜下山予定でしたが、天候及び時間にも余裕(体力も)があるので、避難小屋〜前白根山〜五色山〜弥陀ヶ池〜下山コースに変更しました。
(*岳友にコマクサを見せてあげたくて・・・以前この時期にコマクサを見た事があるので) 避難小屋〜多少の登り下りがありましたが、岳友も余裕?で頑張って呉れました。
2013/05/25 80歳の三浦雄一郎氏がエベレストに登頂したとちまたでは評判だ
三浦氏の気力もたいしたものだと思うけれど、あれだけの大名登山に費やした資金を集めきったというのもたいしたものだ

70歳をいくつか超えた土橋さんから幽ノ沢の便りが届いた

谷川岳 幽ノ沢左俣中央ルンゼ
3時45分:谷川岳BP駐車場 
5時05分:幽ノ沢沢出合
6時00分:中央ルンゼ取付き
14時05分:終了点
15時40分:堅炭尾根
17時30分:芝倉沢出合
19時25分:谷川岳BP駐車場
2013/03/17 妻と天神尾根で雪洞泊した朝、土橋さんは谷川岳東尾根を登っていたということを下山してから知った
雪稜登高はすべからく雪の安定度が難度を決める
雪が不安定だと最悪だが、雪の安定したタイミングをとらえることが出来ると素晴らしい登高が楽しめる。
最高の気分だったに違いない

4時50分:谷川岳BP駐車場 
5時56分:一ノ倉沢出合
7時56分:シンセンコル
10時50分:オキの耳
13時45分:谷川岳BP駐車場
2013/02/11 日光 大谷川雲竜渓谷

極道クラブ(クライミング上だクラブ)のアイスクライミングに、5年振りか?で参加させて貰いました。
ただ!私の登攀中は常時テンションを掛けての登攀でしたのでビレヤーに大変迷惑を ・・・・ でも!アイスクライミングを楽しんで来ました。
また!クラブメンバーの華麗な登攀及び西村氏の手製石器バイルでの見事な登攀も見せて貰いました。
2013/01/28 日光奥白根山

1月26日〜27日 大芦渓谷での新年会(上田C)に参加した後、奥日光に移動。
1月27日 奥日光湯元に移動して、金精峠へのスキートレ後温泉に入り車中泊
1月28日 奥白根山登山  
3時30分出発〜8時05分前白根山
強風・ラツセルで体力・気力消滅により前白根山で諦め下山して来ました。
1月29日(半日) スキー場でのスキートレーニング (7年振りのスキー ・・・ 見事に転倒々しました)
2012/08/20 谷川岳一ノ倉沢二ルンゼAルンゼ

尾崎L・土橋M
今回の登攀も全ルートを尾崎氏のリードで45年振りの懐かしいザツテル超えを楽しんで来ました。
行動時間
天神P:3時15分
一ノ倉出合:4時05分
2ルンゼ取付き:7時00分
Aルンゼ取付き:11時05分
稜線:16時30分
西黒尾根下山
天神P:19時45分
  行動時間:16時間30分
2012/07/10 谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁中央カンテ

尾崎L・土橋M 
一ノ倉沢中央カンテに行ってきました。梅雨の晴れ間の気持ちよい日差しを受けて、贅沢なクライミングを楽しみました。
また!南稜1パーティ・中央稜1パーティと我々中央カンテのみでした。
今回も!尾崎Lに全ルートをリードして頂き、私はフオローでの登攀を楽しんで来ました。
行動時間
天神P:3時10分
中央カンテ取付き:5時07分
中央カンテ終了:11時32分
南稜取付へ下降終了:14時35分
一ノ倉出合:15時38分
天神P:16時48分
  行動時間:13時間38分

2012/05/27 谷川岳幽ノ沢V字状岩壁右ルート

L尾崎・SL西脇氏のサポートを受けて、私は45年振りかの幽ノ沢V字右ルートの登攀を楽しんで来ました。
行動時間
3時50分: ベースプラザP
4時55分: 幽ノ沢出合
7時20分: V字取付き
13時50分: 堅炭尾根〜中芝〜芝倉沢
17時30分: ベースプラザP
  行動時間:14時間20分

アルバム後半にハイキングシューズにワンタッチアイゼンのチタネスクをハイキングシューズに取り付けるための改造写真が掲載されている。夏の剱岳などでも有効だろう。
2011/6/19 谷川岳一ノ倉沢南稜

30年ぶりに土橋さんが一ノ倉沢を登った。

極道仲間を中心に7名が3パーティーにわかれて登ったという。そのなかでも土橋さんたち三人パーティーは合計年齢が200歳とある。ルートは南稜終了点から、一ノ倉岳まで登っている。
毎日、真剣にトレーニングを続けていれば70歳になっても、日本の本番ルートを十分に登れると言うことを土橋さんと川崎さんは証明してくれている。90歳でもクライミングを続けたリカルドカシンのようで、本当に心強い思いがする。
私も1970年代に同じコースを登ったことがある。時期も同じ6月。私たちは芝倉沢をグリセードで一気に下った。私の記憶では5ルンゼの頭周辺が崩壊して草付がはげていて、南稜自体よりも危険だったという印象がある。登攀者が激減した一ノ倉沢では草付が安定し始めているのかもしれない。

土橋さんにとって30年ぶりの一ノ倉沢ということだが、私も一ノ倉沢から遠ざかってすでに相当な年月が経過した。たぶんあの時が最後だったろう。それは風雨強い日だった。
千葉岳連の事務局長をしていた千葉県庁山岳会のSさんを案内して一ノ倉沢へ入った。Sさんは衝立岩に憧れていたように思う。あのころ千葉岳連には奥鐘を登れるような人はほとんどいなかった。今はどうなんだろうか・・・。
そこで奥鐘に比べれば桁外れに易しい衝立岩の雲稜を案内したのである。あの日は、全天候型クライマーを自負していた私にとってもすさまじい悪天だった。強風と豪雨。予定ルートが天候の影響も軽微で技術的にも安易な衝立岩の雲稜だったので気楽だったが、3ルンゼや滝沢スラブはもちろんのこと烏帽子沢奥壁の諸ルートも滝になっていた。
そんな中、出合の駐車場で支度をしていた時に、偶然、上田さんに出会った。こんなところで上田さんに再会するのも驚きだった。上田さんはこんな悪天候の中で衝立を登ろうとする私にあきれていたっけ。
2010/5/14 西穂高岳西尾根ワンデイ

新穂高の標高は1100m、西穂高の標高は2909m
雪の季節に標高差1800mを単独でワインデイする。それも技術的高難度ルートを。

さらに驚くのは厳冬期の飛騨側の主な尾根すなわち大喰岳西尾根・南岳西尾根・涸沢岳西尾根を登り、残ったのがこの西穂高岳西尾根で、しかも過去二回敗退しているという。敗退してなお挑戦し続ける。並々ならぬ意志の強さを感じ驚嘆する。
今回は残雪期の登高であったが、厳しい登攀であったという。

それから、装備が最新式であることにも、氏の柔軟性を感じる。山登りを50年も続けていると装備に対して保守的になり、昔使っていたものを頑なに使い続けるという人が少なくない。
ところが氏は違う。その時代に即したベストの装備を選択する。
つまり本物の現役なのだ。

私もこうありたいが・・・。
2011/2/6 八ヶ岳阿弥陀岳南稜ワンデイ

氏は体力の確認を目的として、毎年のように厳冬期の阿弥陀岳ワンデイを行う。
今回は正月に破損したチタネスクの補修確認を行うために、あえてチタネスクを装着して。
チタネスクは問題なし。

そして冬季用グローブとして採用したブラックダイアモンド社の「ガイド」の評価レポートも送られてきた。
私もそうだが過去に入院治療をしたような凍傷患部は寒気に対して過度に敏感になるようで、少しの寒さで疼痛が始まる。それがこの手袋では軽減されるという。この手袋を装着してアイゼンの着脱も試したが、柔軟性も高いとある。
私も来シーズンは是非入手したいものだ。

02時30分: 1,620m 舟又十字路
05時05分: 2,370m 立場山
06時25分: 2,540m 無名峰
07時20分: 2,650m P3ガリー
08時10分: 2,800m 阿弥陀岳
11時15分: 1,620m 舟又十字路

午前中に帰着している。
2011/1/4 ミゾー:チタネスクの破損

この槍ヶ岳からの下山時にミゾーのチタンアイゼン:チタネスクのワイヤー金具が破損。
ミゾーのカタログに掲載されているオプションのワイヤー金具が破損したようだ。
右足のアイゼンが不都合な状態でのアイスバーンでの下降には神経をすり減らしたと想像する。

★写真からわかること
冬靴は、私と同じボリエールのG1
ジェットボイルを使用
アイゼンにアンチスノープレートがきちんと装着されているところを見ても、細かいところにも神経を使っている。
2011/1/2-4 厳冬期槍ヶ岳中崎尾根

この正月は年末のクリスマスから猛烈な寒波で高山は大荒れ。寒波の通過を待って、正月元旦から登り始め、1月3日9時過ぎに槍ヶ岳へ登頂。

1月3日の行程
中崎尾根2,390m(奥丸山直下)ベース〜千丈乗越〜西鎌尾根〜槍ヶ岳
                            * 登り時間: 04時出発〜9時20分(槍ヶ岳山荘) 5時20分
                            *下降時間: 10時45分〜15時05分(ベース2,390m)4時40分

★写真からわかること
軽量化を優先し、GoreTexのツエルトを使用している
2010/5/14 西穂高岳西尾根ワンデイ

新穂高の標高は1100m、西穂高の標高は2909m
雪の季節に標高差1800mを単独でワインデイする。それも技術的高難度ルートを。

さらに驚くのは厳冬期の飛騨側の主な尾根すなわち大喰岳西尾根・南岳西尾根・涸沢岳西尾根を登り、残ったのがこの西穂高岳西尾根で、しかも過去二回敗退しているという。敗退してなお挑戦し続ける。並々ならぬ意志の強さを感じ驚嘆する。
今回は残雪期の登高であったが、厳しい登攀であったという。

それから、装備が最新式であることにも、氏の柔軟性を感じる。山登りを50年も続けていると装備に対して保守的になり、昔使っていたものを頑なに使い続けるという人が少なくない。
ところが氏は違う。その時代に即したベストの装備を選択する。
つまり本物の現役なのだ。

私もこうありたいが・・・。
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