2009/08/22
最源流部のナメ
夏山合宿明けの最初の週末。
金曜日の夜。5日前に夏山合宿から帰って来たばかりだから、さすがに、もう勘弁?なのかなと思ったが妻の答えは違っていた。
「お母さん、明日、山行かない?」
「簡単なところならいいよ」
交渉成立。
さて、どこへ行こう。新しいところへ行ってボロイ沢にハマルのは芳しくないので、過去に遡行経験のある沢で、しかも労少なく楽しい沢。
となるとマスキ嵐沢か大滝沢ということになるが、マスキ嵐沢は4回も登っているし、大滝沢は2週間前に登ったばかり。うーん・・・。
そうだモロクボ沢にしよう。白い花崗岩が美しいしツメの藪こぎもない。そう決定して二万五千図を用意し、日曜日を迎えた。
夏山合宿で使用した装備が未整理のためエイト環が見つからないなど準備に手間取って6時20分に四街道を出発。案の定、首都高速で渋滞につかまったものの、大井松田ICを8時34分に通過。
西丹沢自然教室で登山届を提出する。
管理人いわく「今日、モロクボ沢は3パーティー目だよ」
夏休みの最後を楽しもうと、川沿いのキャンプ場は子連れの家族で大にぎわいだ。それを眺めながら妻とおしゃべりして歩いていると、林道歩きも楽しいものだ。今は閉鎖されてしまった県立白石キャンプ場のところで、本流を橋で渡りモロクボ沢の左岸沿いの車道をたどる。周辺はキャンプに最適なサイトがいくつもあって、11月から3月の寒い時期に静かに幕営したら素敵だろうと思わせた。
やまびこ橋を渡って右岸へ移り小道をゆるく登っていく。
しばらく踏み跡をたどっていたが、やがて沢を渡る機会も多くなり、仕方なしに渓流シューズをはく。
渓流ジュースをはいてから大滝はすぐだった。大滝を見上げていると、どこからともなく3パーティーが現れた。
例の如く、左の巻き道を登る。ホールドはガバの連続で易しいが高さがあるので妻をビレイ。ビレイを解除してから落ち口の上をトラバースするが、ここも要注意。慎重にいけば問題ないが、もしスリップすると大滝を空中ダイビングすることになる。落ちれば死亡間違いなしだ。
大滝を越えると、ここから約200mほどがモロクボ沢で最も楽しいところである。一段目のナメを越え、右岸から小さな沢が流れ込むところで小休止。
F1大滝の落ち口から、200m先の堰堤まで、花崗岩の美しい滝が連続する。いずれも楽しく登ることのできる技術的にも容易な滝である。釜の淵をトラバースして、流芯を渓流シューズのフリクションを効かせながら登っていく。
堰堤を右から越えると河原が広がり、ここからしばらくの間、退屈な河原歩きが続く。左右に踏み跡があるので、それを拾いながら歩く。水晶沢の出合に到着。この出合は顕著な二股になっており、前回の遡行時も行程の目安となったものだ。水流は2対1。
とても退屈なゴーロ歩きが続く。はっきりいって飽きが来た。
ザックをおろし、ランチタイムとする。
食後もしばらくゴーロが続いたが、やがて上部のナメ地帯へ突入。美しいZ状ナメ滝などの小滝をいくつか越えていく。
やがて沢は源流の様相となり、慎重に枝沢を選びながら登っていく。去年は970mラインにある分岐を左へ行って、畦ケ丸の東北東250m地点にツメあげた。今回は右を選択し、藪こぎなしで稜線へ出た。
畦ケ丸山頂へ向かう。息が切れる。避難小屋の外に置いてあるテーブルで休憩。
善六のタワ経由で西沢へと下降していく。骨折の痛みがまだ続いているので、下降は苦痛である。ようやく西沢の河原にたどり着いた時にはほっとした。堰堤の上は砂地になっていて、とても気持ちが良い。曇り空のせいか、なんとなく夕方のようだ。体が火照って暑いので、もう一度水に浸かって冷却したいと思いながら下る。ようやく西丹沢自然教室の吊り橋に到着。私は川へ降り、服を着たままザブン!あごまで水に浸かってしばらくじっとしていた。もう温泉に行かなくてもいいかな?と思うくらいに気持ちが良い。
「お母さんも、おいでよ」と声をかけたが、「恥ずかしいからいやだ」とあっさり拒絶されてしまった。
いつもの通り、山北駅前の「さくらの湯」に立ち寄り、家路についた。
西丹沢自然教室 | 9:32 |
白石沢キャンプ場跡 | 10:15-10:39 |
大滝下 | 10:55 |
大滝上 | 11:19 |
最終堰堤 | 11:27 |
水晶沢出合 | 11:43 |
昼食 | 12:10-12:43 |
Z状ナメ滝 | 12:56 |
稜線の登山道 | 14:15 |
畦ケ丸避難小屋 | 14:31-14:47 |
畦が丸山頂 | 14:50 |
西丹沢自然教室 | 16:57 |
中川川上流部のオートキャンプ場 |
大滝 |
大滝の落ち口の上にある滝 |
釜のある滝 |
昼食のひと時 |
おなじみZ状ナメ滝 |