2009/6/7
核心部とされる15m二段スラブ滝は技術的には容易な滝だが、苔で滑るので不意に墜落する恐れがあり要注意
はやくも手術後5カ月が経過した。
ゴルフもやらないし、マージャン・競馬などもしない。飲み屋に行くのは出張したときだけだ。15歳の時から山以外のことに趣味としての興味を持ったことはない。
いわゆる変人。
そんな私が5ヶ月間山に行っていない。いい加減しびれを切らしたという感じだ。それでも左足の塩梅が芳しくないというのは分かっている。駅の階段のくだりは手すりにすがる。それに左足のつま先立ちができない。それは左足ではフットホールドに立ちこむことができず、通常の道でもバランスを保持することが困難であることを意味する。
だからと言って、動かないでいるとますます回復が遅れてしまうから、なるべく歩くように心がけてきた。ゴールデンウィークには那須の山奥の林道を2時間歩いた。土日には妻と二人で四街道の郊外をウォーキングしたり、16kmの印旛沼一周などもやった。
いきなりハイグレードなところへ行くのは無理だけれど負担の低い山なら登れるのではなかろうかとも思う。
どこへ行こうか数日考えた。
結局はマスキ嵐沢を選んだ。沢自体も短いし、下降も権現山南尾根(仮称)を使えば1時間で車まで戻ってこられる。
さてどうなる事やら・・・。
朝6時10分に四街道を出発
海老名サービスエリアの吉野家で朝食。いつもの通り、峰山橋取水口の広場に車を止めた。5か月ぶりの山だ。なんだかわくわくする。
マスキ嵐沢入渓点までは東海自然歩道を歩くが、体の調子を確かめるようにゆっくり、一歩一歩を踏みしめるように歩いていく。
入渓点で遡行装備に身を固め、いよいよ沢に入っていく。足の裏全体をペッタリ、ペッタリと置くようにして、ゆっくり歩けばさほど不具合は感じない。普段、沢では猫のように歩くことを心がけているが、まだとてもできない。それでも滝を登るのは意外にも楽に感じる。フットホールドへの左足の置き方に神経を集中していれば、手を岩に添えることができるぶんバランスが安定するからだろう。特に問題もなく滝を登っていく。
しばらく登っていると滝を懸垂下降しながら下ってくるパーティーに遭遇。
順調に最後の滝を越え、権現山の山頂へたった。どっかりと腰をおろし湯を沸かす。一本の枯れ木にキツツキの巣があって雛の鳴き声が聞こえてくる。
久しぶりに山の風に吹かれながら、呆けたように焦点の定まらぬ目で丹沢湖を見下ろす。
30分ほど休んで権現山南尾根(仮称)を下った。やはり下りはつらい。左足の太ももが細くなっているのが、はっきりとわかるくらいだ。ストックを突きながらゆっくりゆっくり下っていく。昨年までたくさんあった目印のテープはほとんどが撤去されてしまい、一度尾根を取り違えて50mほど下ってしまった。すぐに気がついて登り直し、さらに下る。
通常1時間で下り終えるのだが、今回は3時間を要した。やれやれといった感じである。足の回復がまだまだであることを思い知った。
中川温泉ブナの湯で汗を流し、いつものファミレスで夕食後、帰路についた。
峰山橋 | ・・・・ | 8:31 |
マスキ嵐沢入渓点 | ・・・・ | 8:54-9:09 |
15m二段スラブ滝上 | ・・・・ | 9:54 |
休憩 | ・・・・ | 10:14-10:58 |
遡行終了点 | ・・・・ | 12:13 |
権現山 | ・・・・ | 15:32 |
最初の滝 |
15m二段スラブ滝 |
権現山山頂から望む丹沢湖 |