2008年 秋

丹沢 神ノ川

矢駄沢

2008/10/11

F3は水量が多く、秋だというのに妻をずぶぬれにさせてしまった

体育の日の三連休は一年中で一番高速道路の混む日とされている。あいにく真ん中の日に所用があるため泊りがけで行くことができない。
11日に日帰りでどこかへ行こうということになったが、あいにくの天候だ。そこで丹沢の神ノ川の矢駄沢をチョイス。再建された神ノ川ヒュッテも確認したかったし、矢駄沢は途中の林道でショートカットすることもできる。

10月11日(土)雨のち晴れ

いつもの通り、妻は子供たちの弁当仕度をしてからの出発だ。
神ノ川から登る丹沢は裏丹沢とも呼ばれ、中央高速がアプローチとなる。案の定、首都高の高井戸あたりから渋滞。相模湖ICで降りて、山の中の道を走るがコンビニがない。ようやくスリーエフを見つけて弁当などを買ったが、雨は一向に止むけはいがない。土砂降りに近い状態で神ノ川ヒュッテ近くの林道ゲートに到着。ここには素晴らしく立派な公衆便所ができており驚く。まるで補助金で建てた田舎の文化ホールのような建物である。山屋であればここで宿泊してしまうだろうとおもったら、ここで泊まるなという貼り紙があった。
しばらく様子を見ていたが強い雨は一向に衰える気配がない。やむを得ず、暇つぶしに周辺をドライブすることになった。周辺の林道をかなり奥地まで探検する。
11時頃になって少し小降りになったので今後の予定を検討。矢駄沢は途中で林道が横断しており、そこで遡行を中断すれば気軽な半日コースとなる。まだ雨は降っているが遡行に支障が出るほどではないので、矢駄沢に決定して神ノ川の林道ゲートに戻る。
このゲート付近には駐車スペースはないので神ノ川ヒュッテの有料駐車場に車を止める。有料といっても300円である。
丁度一年前の土石流による被害からようやくヒュッテは再建されボランティアの方々が数名つめていた。
小屋番のボランティアのおじさんに「矢駄沢に入り、林道でショートカットする」ことを伝えビニール袋に入れた登山計画書を車のワイパーにはさんで、出発。
林道を10分ほど歩くと矢駄沢にかかる矢駄沢橋に到着。この橋の右側から入る。いくつかの堰堤があるのでそのまま右側の斜面につけられた踏み跡を10分ほどたどって堰堤を通過する。
左岸の踏み跡に導かれるようにして沢底に降り立ち、遡行を開始。
岩はしっかりしており安定している。岩盤が露出した部分も岩がもろくないので快適である。滝郷沢や鍋割のミズヒ沢とは岩質がことなる。どちらかというとキウハ沢に似ているように見える。
小雨は降り続いているが、雨具を着るほどでもない。
小滝をいくつか越えていくと大きなコンクリート堰堤に到着。これは右手の梯子で越える。
この堰堤の上で最初の本格的な滝であるF1に到着。直瀑で登れないので少し下流に戻って左の涸れた窪から巻く。F1のすぐ上には同じような直瀑であるF2が続く。そのまま左手を巻く。
さらにF3が続く。通常、登路となる滝の真ん中は今日の雨で水流が多くホールドを覆い隠している。左手の壁にバンドが走っているので、これを利用して私がまず登る。このバンドはトラバースとなるので妻をビレイするのは適切ではない。むしろ滝を直登してもらって上からビレイした方が安全だ。妻は出だしの数歩に少し苦労していたがびしょぬれになりながらもグイグイ登ってきた。
10月のこの時期にずぶぬれになってさぞかし寒かろう。すぐに湯を沸かして熱い玄米茶を作って飲んでもらう。
この滝の前後は堅い岩盤が磨かれ、なかなかいい感じである。この先も岩盤が続き、大きな二股に到着。
右には堰堤があり、本流は左手である。小滝を越えてまもなく、堰堤に突き当たった。梯子が完備されているので楽に越えることができる。堰堤が三つほど連続してその先に沢を横切る林道の橋が見える。かなり立派な橋でしかも新しい。
ずいぶん前に雨はやみ、日が差し込んできた。
この林道で遡行を終了する。秋の陽射しを浴びながらザックをおろし腰掛ける。湯を沸かして弁当代わりのおにぎりをほおばる。のんびりコーヒーを飲む。
橋に大きなスズメバチの巣があることに妻が気が付いた。それに近づかないように対岸の斜面を登って林道へ這い上がった。林道には水溜りがあり、左手には大室山が見える。林道を歩いていたらおおきなガマ蛙がいてびっくりした。
林道の途中で矢駄沢橋と熊笹の峰を結ぶ登山道が横切る。これを左折して矢駄沢橋へと戻った。
奥相模湖に近い津久井町青根の「いやしの湯」で汗を流し家路についた。

参考資料:山と渓谷社1995年発行「丹沢の谷110」



入渓後、すぐに遭遇するチョックストーン滝
左手に細いフィックスロープがある



F1



F2



F3



岩盤が露出する



二俣も近い傾斜のゆるい滝



林道に咲くリンドウ


林道の秋空に大室山があった

神ノ川ヒュッテ ・・・・ 11:20
矢駄沢橋 ・・・・ 11:30
F1下 ・・・・ 12:10
F2上 ・・・・ 12:20
F3下 ・・・・ 12:25
F3上 ・・・・ 12:45--13:15
二股 ・・・・ 13:25
橋の下 ・・・・ 13:50--14:40
神ノ川ヒュッテ ・・・・ 15:25