2006年 初冬

房総

元清澄山

清澄寺から往復
2006/12/17


関東ふれあいの道として整備されているので歩きやすさは申し分ない



元清澄山の稜線にはモミやツガの大木があるという。
私は知らなかったが「千葉県の山」で千葉岳連の小川さんが記述している。それは氷河期の名残だという。氷河期の名残といえば雷鳥や高山植物などにも相当する。
標高300m、しかも高温多湿で知られた房総丘陵に自生しているモミやツガの木。
これは一見の価値がある。
そこで半日の暇をひねり出して、長女の敦子と行ってみることになった。
本日のコースは清澄寺から元清澄山へと至る関東ふれあいの道をたどるもの。
前半の三分の二は5kmの林道を歩きだが、東大農学部の演習林の中の閉鎖された林道をたどるもので、随所で展望もきき不快さはまったくない。後半の三分の一は山道へと入るが関東ふれあいの道として整備されており、ピークもそのほとんどを山腹で巻いているので勾配のない水平な遊歩道が大半を占める。元清澄山の山頂直下にはナイフエッジがあって、岩や木の根が滑りやすく足元は不安定だが手すりが完備されているので充分注意すれば問題なかろう。

12月17日(日)曇りのち晴れ

休日出勤が続くが、日曜日の午後に何とか暇をひねり出すことができた。
敦子と11時に四街道を立つ。登り始めようとしたときにデジカメのバッテリーが切れているのに気がついて鴨川市内のベイシアまで買いに行くなどもたついた。
雨上がりの林道にはあちこちに水溜りがあるが雲の隙間から少しづつ青空がのぞき始めている。歩き初めて20分、すでに林道の左右にモミの木が自生しているのを見ることができる。林道は入り口のところで頑丈なゲートがあるので一般車は進入してくることもなく、安心してのんびり歩くことができる。
温暖な気候で知られている房総の丘陵地帯。さすがに12月下旬近くなると残っている紅葉もまばらだ。林道はそれらの木々からの落ち葉で覆われている。それが幾何学的な模様のようにもみえて美しい。
小一時間ほど林道を歩くと指導標に導かれ、林道から分かれて山道へと入る。この道は関東ふれあいの道として整備されているので歩きやすさは申し分ない。
しばらく歩いていくと階段が現れ始め、幾つかのアップダウンを繰り返していくと、顕著なナイフエッジとなる。房総特有の稜線である。左右は切り立っていて片方を覗き込むとオーパーハングになって下まで10mほどもある。
粘土を固めたような岩だから濡れるとすべる。手すりとして鎖が設置されているので、これを補助に使いながら登っていく。
とはいっても房総の山。
こんな登りも10分の辛抱で元清澄山の山頂である。西日が木々の間から差し込んで山頂の小さな祠を照らしていた。
もう15時半に近いが、ここで遅い昼食。
昼食を終えて、元清澄山の山頂をあとにしたのは16時。車に帰り着く頃には真っ暗になるのは必定なのでヘッドランプをいつでも取り出せるように用意して帰路に着く。
元清澄山登山口まで明るいうちにたどり着いた。夕焼け雲が美しい。
敦子と二人で残照の林道を車まで急いだ。
車まであと10分のところでヘッドランプを出した。


清澄寺林道ゲート 13:46
元清澄山登山口 14:38
元清澄山(昼食) 15:28--15:57
元清澄山登山口 16:38
清澄寺林道ゲート 17:32
※四街道帰着 19:02
真っ暗になる前に車へと帰り着きたかったので、かなり速いペースで歩いている。1.5倍の時間をかけるのが普通だろう。


雨あがりの林道には紅葉の名残り


大きなモミの木の傍らを歩く


元清澄山の山頂


帰りの林道から見る残照