2004年春

丹沢 新茅ノ沢

2004/5/3
参加者:賀来素直(中1)、賀来朋子(高1)、賀来幸子、賀来素明

今年のゴールデンウィークは、私に仕事が入ってしまったために子供達の予定とうまくかみ合わなかった。
家族全員で行けそうなのは5月3日のみ。久しぶりに家族5人で行けるナァと楽しみにしていた。ところが長女敦子が高校総体県予選400mリレーに出場することになり、万が一にでもケガをするといけないということでお留守番。
次女の朋子と長男の素直、そして女房の四人で行くことになった。
昨年の屏風岩は高校受験でお留守番だった次女の朋子は出発前夜から「うれしい」とニコニコしながら楽しみにしていた。
目指すは27年ぶりの丹沢新茅ノ沢。

5月3日 雨のち晴

四街道の自宅を4時半に出発したところ、渋滞もなく6時に渋沢付近に到着。
コンビニへ行って買い物などをして7時半に新茅ノ沢手前の広場に到着。
あいにくの小雨模様。
子供達は眠くて仕方がない様子でしばらく車の中でじーっとして8時40分に出発する。
新茅ノ沢の橋からみると、木々がうっそうとゴルジュの上を覆って薄暗く感じる。橋の30m程手前の杉林の中の踏み跡を伝わって沢へ降り立つ。
雨がときおり強くなり沢の中は夕方のように暗い。
小さな段差でも全てロープで確保しながら登っていく。
大滝を登る先行パーティー
我が家はもちろん左手(右岸)を巻く。巻き道も岩が露出しており落ちればただ事では済まないのでロープでビレイ。
小さなテラスに子供二人を座らせて、女房をビレイしていると次女の朋子が笑いながら「何すんだヨ」と言っている。見るとニコニコしながら素直が朋子のヒザに泥の塊をのせたようだ。
いつもの通り素直がふざけっこのモーションを朋子にかけたのである。
「こんなところでふざけちゃダメだよ素くん」
天気予報では日中には薄日もさすということでしたが、頭上を覆った木々の葉からは大粒の水滴がバラバラと落ちてきます。
雨はかなり本格的になってきました
「みんなバテバテ?」
お母さん・・・「バテくらい」
トンちゃん・・・「バテ」
素くん・・・「ハ」

「ハ?ってなんだ」
「バまで行ってないってこと」
なるほど
水の流れはなくなり沢は急峻になってぐんぐん高度を上げていく
沢は上部にいくと急峻なルンゼ状となり砕石が不安定に積み重なって落石に神経を使う
石を落とした時に後続に当たらぬように各人を配置しながら登る
砕石が堆石したガレたルンゼ状になるとビレイ用の満足な支点を得ることは難しくなってくる
どっかりと腰を降ろし、足を踏ん張ってイタリアンフリクションヒッチによるボディビレイを行う
右手(左岸)に踏み跡があるはずなので、注意しながら登っていくと登れそうな地形になり右の斜面を登る
登るとすぐに赤いビニールテープがありまもなく登山道状態になって遡行が終了する
烏尾山までここから7分ほど
稜線にはガスと強風が吹きすさんで嵐のような様相
運良く小屋が営業しており、中でコーヒーなどを飲んで休憩
下山を開始したが風も冷たく、保温のために雨具のフードの上からヘルメットをかぶる
下山コースは烏尾尾根
下山していると天候も回復しはじめた

「お母さん歩き方が変だよ」
「筋肉痛!」

駐車場までたどり着くと完全に晴れ。
初夏の陽射しにつつまれました。
時計を見ると15時前でした。