2003年冬

足尾

松木沢 黒沢
2003/2/11

極道仲間の尾崎さんから「足尾の松木沢にアイスクライミングに行こうよ」とのお誘いを受けたのが2月7日。
私が最後にアイスクライミングをしたのは・・・十数年程前の正月合宿でクラブの新人トレーニングに大同心正面壁のアプローチとして裏同心ルンゼを登って以来かもしれません。
お蔵入りになってしまったプラブーツも経年劣化が進んで、ボロボロと分解が進んでもいるし「今回はパス!」と応えておりました。
もちろんチョッピリ行きたい気持ちもありましたが、時代遅れのギアとテクニックしかない私には一回ぐらい行ってみた所で楽しむレベルまでには至るはずもないだろうと思っておりました。だって、私がアイスクライミングに真面目に取り組んでいたのは1970年代。その当時はヨーロッパからセキネルのピオレトラクションが日本に輸入され、「岩と雪」誌上にもアイスクライミング用ギアの改造が特集で組まれていた頃でした。
ピオレトラクションとスタバイの4本出歯アイゼンを使用して今野和義さんがノコ沢大氷柱を登る姿が「岩と雪」の表紙を飾るような時代でした。相前後して冬期ルンゼ登攀が大流行。その当時登攀対象としていたルンゼを現在は極道仲間の中西さんや石田さんがスキーで滑降する対象としています。この雲泥の差!
でも、やっぱり気になっていたのですね。
お誘いを受けた翌日の8日に「とある岩場」に行ったときに、アイスクライミング用のアックスを荷台に積んで上田さんに見てもらう事にしました。
年代物のマックインネスペック----ううう・・・ハミッシュ・マッキネス・・・涙が出るほど懐かしい骨とう品。そしてアイガー北壁にソロで取り付いたときにシャモニのスネルスポーツで買い求めたシモンのピラニア。
これらのギアを見るなり上田さんは「今日これを持って帰って、私が最新のチューニングをしますよ」
「???本当にいいんですか?」
ということで松木沢に行くことが決まってしまいました。
さて、松木沢ですが1981年10月15日にウメコバ沢のチャンピオン岩稜を登ったことがあり、そのときの印象があまりにも強烈で忘れることができません。一言でいってワイルド!命がけ!そして周辺の荒涼とした風景。まるでドラキュラのお城がありそうな雰囲気。
この足尾松木沢が22年でどのように変貌したのかも大いに興味惹かれるところでありました。

2003年2月11日 曇りのち晴れ

二ノ宮の道の駅で集合したのだが、どしゃ降りの雨模様。
ずいぶん手前のダムサイトでゲートがしまっていて泥んこ道を散々歩かされた。
十数年振りのアイスクライミングに装備の進歩を実感。
安全面で特筆すべきはアイススクリューである。ワートホッグやスナーグなどの打ち込み式のアイスハーケンしか知らなかった私は中西さんが持ってきたノブ付のブラックダイアモンドのアイススクリューに感心してしまった。


参加者:岡村、尾崎、中西、宮崎、上田、賀来